Automotive SPICE®とは
Automotive SPICEは、ISO/IEC 15504に基づいて策定された車載システム開発のためのプロセスモデルです。(ISO/IEC 15504は、ソフトウェアプロセスモデルの国際規格であり、SPICE(Software Process Improvement and Capability dEtermination)と呼ばれています。)
自動車の開発はもともとハードウェアを中心に進められてきましたが、自動車に搭載される車載ECUも増加し、ソフトウェアの規模が拡大してきました。このような変化のなかで、ソフトウェア開発のプロセス整備が不十分だったために問題も増えてきたことが、Automotive SPICEの策定に至った背景となっています。
自動車メーカー、車載部品メーカーの各社がAutomotive SPICE対応の開発を進めるようになり、ソフトウェア開発ベンダーも必然的に対応を求められるようになったことで、車載開発プロセスの業界標準となりつつあります。
Automotive SPICEプロセス参照モデル
Automotive SPICEでは、3つのカテゴリーと、カテゴリーごとのさらに細かいプロセス群に分類されます。各プロセスは、プロセスの目的と成果、各々の成果を達成するための基本プラクティスや成果物が規定されています。
出典:VDA QMC Working Group 13 / Automotive SIG「Automotive SPICE Process Assessment / Reference Model」Version 3.1
http://www.automotivespice.com/fileadmin/software-download/AutomotiveSPICE_PAM_31.pdf
「Figure 2 — Automotive SPICE process reference model - Overview」
Sky株式会社では、過去にCMMIベースの標準プロセスを運用していましたが、車載システム開発においてAutomotive SPICEが業界標準になりつつあることから、顧客の要求に応えるために、現在はAutomotive SPICE準拠の社内標準プロセスを整備しています。
Automotive SPICEには、基本プラクティス・作業成果物の定義や、プロセス成果との関係が示されているなど、CMMIと比較するとより具体的な規定内容になっていることが運用のしやすさにつながっています。
品質保証への取り組み
プロジェクトの運用期間中は、外部の第三者組織が以下の対応を随時実施し、プロセスを遵守することで、品質保証に取り組んでいます。
プロセス改善サイクル
Sky株式会社の車載機器開発プロジェクトでは、標準プロセスをテーラリングした上でプロジェクトで運用し、そのなかで発見した課題の解決に向けて、プロセス改善を行います。
その後、プロセス改善点を標準化するための検討を行い、標準プロセスに反映。改善された標準プロセスをプロジェクトであらためて運用することで、組織全体の改善を図ります。