業務系システム開発とは? 仕事内容や必要なスキルを解説

更新:2024.4.1
著者:Sky株式会社


テスト自動化とは?

業務系システム開発を検討中の方に、仕事内容やスキル、Sky株式会社の業務系システム開発などをご紹介します。

業務系システムとは?

業務系システムとは、企業内の特定の業務を効率化・自動化するITシステムのことです。システムを導入することで、従来Excelなどでアナログに管理していた業務が自動化されます。これにより、作業時間を短縮し、その時間をほかの業務に割り当てることができるため、効率性や生産性が向上します。また、人的リソースの最適化も可能です。こうしたことから、多くの企業が業務系システムの導入を進めています。

業務系システムには、企業にとって不可欠なヒト・モノ・カネを管理する「基幹システム」と、名刺管理システムなど特定の課題解決のために利用される「周辺システム」の2つの種類があります。

業務系システムは企業内の業務に直接関わり、物事を円滑に進めるための重要な役割を担います。システムが停止すると、企業全体の業務に支障を来す恐れがあるため、細心の注意を払って運用する必要があります。

情報系システムとの違い

業務系システムと類似しているものに情報系システムがあります。情報系システムは、業務系システムが支えている業務をさらに便利にするためのITシステムです。どちらも企業が業務を遂行するために使用しますが、その目的と役割には違いがあります。

情報系システムとして、例えばメールシステムやスケジュール管理ツール、社内SNSなどの社内コミュニケーションやバックオフィス業務の効率化に利用されているシステムなどが挙げられます。こうした情報系システムは、万が一システムに不具合が生じても、業務が完全に停止してしまうリスクはほとんどありません。

大まかに、「業務系システム」は停止すると業務が進められず、大きな損害が発生する可能性があるもの、「情報系システム」は停止すると多少の不便を感じるものの、業務は続行可能なものと分けることもできます。

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業務系システムの開発の仕事内容は?

業務系システムの開発の仕事内容は以下の4つの工程に分けられます。

  • クライアントの要望を基に要件を定義する
  • システムの設計
  • システムの開発・テスト
  • システムの運用・保守

それぞれの工程について詳しく説明します。

1. クライアントの要望を基に要件を定義する

要件定義は、開発対象となるITシステムに含むべき要素を明確にしていく工程です。システム開発の初期段階では、クライアントからニーズをヒアリングし、どのような問題を解決したいのか、どのような要望があるのかを正確に理解します。それに基づいて最適なシステムの設計や必要な機能を決定します。そのほかにも、プロジェクトの予算や人員、開発期間などを決定し、要件定義書と呼ばれるドキュメントにまとめ、クライアントの承認を得た後、設計工程に移ります。

2. システムの設計

次に、要件定義書の内容を基にシステムの構成と機能の実装、処理方法の計画など、実際にプログラマーがプログラミングを行うための設計を行います。主な工程は、外部設計と内部設計の2つです。

外部設計では、要件定義に基づきUI(ユーザーインタフェース)を設計します。操作画面や操作方法などのユーザーが直接触れる部分を指し、ユーザーの使いやすさに大きく影響する重要なステップです。この工程ではシステムに搭載する機能などの大枠の設計を行い、基本設計書を作成します。

内部設計では、プログラムの内部構造を設計します。基本設計書の内容を基に、技術やメカニズムを選定し、詳細設計書を作成します。内部設計は開発者向けの設計であり、詳細設計書はプログラマーのために情報をまとめたドキュメントです。

3. システムの開発・テスト

要件定義書や設計書を基に、プログラミングを行い、必要な機能を具現化します。すべての機能が実装された後、システムが意図したとおりに動作するかのテストを実施します。不具合が見つかった場合は再度、開発工程に戻り修正を行います。

開発工程では、詳細設計書に従い、プログラマーやシステムエンジニアがプログラミング言語を用いてプログラムを行います。実際のITシステム開発ではシステムを1から作るのではなく、便利なフレームワークやライブラリを利用して開発を進めることがほとんどです。

テスト工程では、作成したプログラムが要件定義で設定した基準を満たしているかを検証します。テストには、作成したプログラムを1つずつテストする単体テスト、複数のプログラムを組み合わせて全体として問題なく動作するかを検証する結合テスト、そして単体テストと結合テストが完了した後に、すべてのプログラムが連携してシステム全体として動作するかを検証するテストなどがあります。

4. システムの運用・保守

業務系システム開発は、クライアントからのフィードバックや問題に対応し、必要に応じて継続的なシステムの改良が求められます。

運用・保守の工程では、システムが導入された後も継続的に問題なくシステムが動作するように管理します。さらに、メモリの使用状況のチェックや、必要に応じた設定の調整をはじめ、メンテナンスやアップデート、システムの改良なども行います。

業務系システムの開発で使われる言語は?

業務系システム開発には、さまざまなプログラミング言語が使用されています。ここでは5つの言語についての特徴などをご紹介します。

C言語

C言語は、手続き型のプログラミング言語で、その構造はシンプルながらもハードウェアの制御知識が必要とされ、理解が難しい言語とされています。処理速度が速いことが特徴で、効率的なプログラムの作成が可能です。また、最適化によりプログラムの処理効率の向上や軽量化が可能です。

応答速度が重要な基幹システムや機械制御部分、Webアプリケーションの一部にも採用されているほか、教育用ロボットや電化製品の組込みシステムにも使用されています。

加えて、C言語はマルチプラットフォーム対応で、同じC言語のコードを異なる環境で実行可能です。ただし、高度な機能や能力を持つ一方で、メモリ管理など細心の注意が必要とされる面もあります。

C++

C++は汎用性の高さと高速な処理速度から、多種多様な領域で活用されています。C言語をベースにオブジェクト指向を取り入れ、開発効率を向上させるため、多くの拡張機能も追加されています。

C言語との互換性があり、混在して使用することが可能なため、開発時には同時に使用することができます。C++は大規模なシステム開発から組込みシステム、AI開発など幅広い分野で活用されています。しかし、C++はC言語を基にしていることから、複雑な文法と理解の難しさは引き継がれています。標準で用できるライブラリが少ないことやメモリ管理機能が存在しないといったことも弱点もあります。

Webブラウザの「Chrome」や「Safari」、ゲーム開発に使用される「Unreal-Engine」など、C++で開発された有名なアプリケーションも存在します。

Java言語

Javaは、CやC++などの言語から優れた特性を受け継いだオブジェクト指向言語で、OS環境に依存せず動作する汎用性が高く評価されている言語です。技術的な安定性、迅速な処理速度、自動的なメモリ管理などが特徴です。しかし、概念が抽象的であるため学習に時間を要するという欠点や、小規模な開発には不適合であるという面もあります。

Javaで開発された有名なアプリケーションは、「X(旧Twitter)」やメモアプリの「Evernote」などです。

C#

C#は、マイクロソフト社が開発したプログラミング言語です。JavaとC++を基に作られているため、両者の便利な部分を取り入れており、高度な開発を効率的に行えるプログラミング言語です。

データ操作のためのLINQや、関数の短縮形であるラムダ式などを利用することで、冗長な記述を削減し、生産性を高めることができます。

C#で作られた著名なWebサイトとして「Microsoft公式サイト」や「Skype公式サイト」、そして検索エンジンの「Bing」などが挙げられます。

Python

Pythonはシンプルな文法と豊富なライブラリが特徴で、業務系システムの開発に適しています。「YouTube」や「Instagram」はPythonを使用して構築された有名なプラットフォームです。

例えば、データ処理や分析、自然言語処理、画像認識などの機能を必要とする場合、Pythonで開発を行う際によく使用される関数やパッケージをまとめた「ライブラリ」を適切に活用することで、効率的にシステムを開発したり、迅速かつ堅牢なアプリケーションを構築したりすることが可能です。Pythonのコードは読みやすく、理解しやすいため、複数人での共同作業が円滑に行えます。

業務系システムの開発で使われるスキルは?

業務系システム開発に必要なスキルは、プログラミングスキルだけではありません。ここでは、そのほかに求められる代表的な5つのスキルについてご紹介します。

総合的なシステム開発スキル

新規開発だけではなくバージョンアップなどに伴って既存システムの改良を行うこともあるため、システム全体を把握し、再利用可能な部分を見極める能力が求められます。既存コードの分析や改善のためにはコードの読み解きやリファクタリングのスキルも欠かせません。

また、単なるコード記述能力だけでなく、システムの全体像やデータフローを理解し、適切なデータベースを設計するスキルなど、データベース操作の理解も重要です。

コミュニケーションスキル

クライアントの要望や問題を正確に理解し、それをシステム要件に反映するためにはコミュニケーション能力が欠かせません。

クライアントがITに詳しくない場合には、専門用語を避けながらコミュニケーションを取る力が求められます。また、プロジェクトを円滑に進めるためには、開発者同士でのコミュニケーションも重要です。

折衝力

業務系システムの開発において、クライアントとの連携は不可欠です。クライアントの要望や課題をヒアリングして的確に把握し、開発者のリソースを考えながら細かい調節を行う折衝力が必要です。

多方面にわたる知識

技術的な知識だけでなく、クライアントの業界に関する知識も重要です。クライアントの業界や業務内容を理解することで、課題を発見し、最適なシステムを設計・開発できます。

また、業務系システムに関する情報収集も行うことで、最適な提案が可能です。そのため、業務系システム開発には多方面にわたる知識が必要だといえます。

論理的思考力

論理的思考力は、クライアントの要望を理解し、それを具体的な解決策につなげるために必要なスキルです。クライアントからの情報を整理し、本質的な課題を見極め、最適な解決策を提案する思考プロセスを構築することが求められます。加えて、解決策をクライアントに提示する際は、根拠を明確に説明できる能力も重要です。

まとめ

この記事では、業務系システム開発の仕事内容やプログラミング言語、必要とされるスキルについてご紹介しました。業務系システム開発にはプログラミングスキルだけではなく、コミュニケーションスキルなどさまざまな力が求められます。

Sky株式会社は、30年以上にわたり業務系システム開発に携わるなかで、多様な業界・業種でさまざまなお客様のご要望にお応えしてきました。業務系システム開発についてお悩みの際はSky株式会社にお問い合わせください。

著者 Sky株式会社

Sky株式会社は、家電製品の組込み開発を手掛けたのをきっかけに、デジタル複合機やカーエレクトロニクス、医療機器など、幅広い分野でシステム開発を展開。また、AI・画像認識を活用したシステム開発にも携わっています。お客様先へのエンジニア派遣や受託開発などをはじめ、要件定義から設計、開発、検証、運用・保守まであらゆるフェーズで技術を提供しています。さらに、教育分野における学習活動ソフトウェアや、公共・民間向けのクライアント運用管理ソフトウェア、企業の営業活動を支援する名刺管理サービスなど自社商品の開発・販売も積極的に行っています。

業務系システムにおいても、金融・保険業界のコールセンターシステムや、医療業界の内視鏡ITシステム、建設業界の生産管理システムなど、多様な業界・業種で開発実績を積み重ねてきました。主要メーカー製品や各種スマートデバイスなどと連携するシステムをはじめ、クラウドサービスの活用を進めることで、ビジネス環境の急速な変化にも迅速かつ柔軟に対応できるシステムを開発しています。

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