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ファイルサーバー構築で​使用した​技術④ ~記憶域スペースダイレクト~

ファイルサーバー構築で​使用した​技術④ ~記憶域スペースダイレクト~

Windows Serverを用いたファイルサーバーの構築技術についての連載記事の第4弾です。今回は「記憶域スペースダイレクト」について説明しています。この技術により、専用の共有ディスクを用意せずに、複数のWindowsサーバーを使って簡単にフェールオーバークラスター環境を構築する方法を紹介しています。

構築したWindows Serverを用いたファイルサーバーの技術第4弾でございます。

前回の​記事

今回構築したファイルサーバーはいろいろな技術を使って成り立っていますので、1つ1つ紹介させていただきます。
連載予定は以下のとおりで、今回は④を紹介いたします。

連載予定

①:フェールオーバークラスター
②:クラスター共有ボリューム
③:記憶域スペース
④:記憶域スペースダイレクト【今回の記事】
⑤:入れ子になったミラー加速パリティ
⑥:データ重複除去
⑦:シャドウコピー
⑧:BitLockerの解除キー(ADとリカバリキー)
番外編:DFS名前空間

④ 記憶域スペースダイレクト

構築したファイルサーバーを実現する上で欠かせない、とっても大事な機能の紹介です。

①:フェールオーバークラスター」で紹介した「専用ディスク(DAS[1])方式」と「③:記憶域スペース」を組み合わせたような超便利な機能です。

専用の「共有ディスク(SAN[2]」を用意することなくサーバーの「ローカルにあるストレージ」を組み合わせて、あたかも「共有ディスク」のように扱うことができる機能となります。

と​いっても、​あまり​ピンと​こないですよね。

簡単に説明すると

「一般的な​Windowsサーバーを​複数台用意するだけで、​フェールオーバークラスター環境が​作成できる

ということです。

しかも構築も超簡単です。

  • サーバーを用意して
  • LANをつなげて
  • 役割の追加をして
  • コマンドたたくだけです。

フェールオーバークラスター環境を構築する上で必要だった以下のような要素を排除できます。

  • 専用の共通ディスク装置
  • FC(ファイバーチャネル)接続の機器(ハブや専用ボード)
  • 「専用ディスク(DAS[3])方式」のための専用のソフトウェア

使用するアイテムや機器が減ることは、故障などのトラブルや技術習得、メンテナンスにおいても利点が多いです。

さらに、​サーバー台数、​ローカルストレージの​種類、​ローカルストレージの​数

などによって様々なパターンの構成が可能となります。

容量効率、安全性、高可用性など用途に応じて組み合わせを変えることで実現できます。

以下に例を記載します。

サーバー2台で​ミラー構成

※1台のPC、または1台のディスクが壊れても大丈夫!

サーバー2台で​ミラー+パリティの​複合構成

※ディスクの容量効率を上げつつ速度も上げて、1台のPC+1台のディスクが壊れても大丈夫!

サーバー3台で​3方​向ミラー構成

※2台のPCまで壊れても大丈夫!

サーバー4台で、​デュアルパリティ構成

※容量効率を高めつつ2台のPCまで壊れても大丈夫!

また、キャッシュを利用することで、パリティ構成にした際の速度低下を防ぐ方法などもあります。

高速なSSDをキャッシュにし、順次HDDへRAID5+1(3台へミラー)構成のイメージ図

他にもいろいろあって、カスタマイズ可能というのが本当に楽しいです。

作成した記憶域スペースから仮想ディスクを作成する際に、記憶域スペースの容量ギリギリまで使い切るのではなく、未使用領域に余裕をもたせて仮想ディスクを作ることでディスク故障時のホットスタンバイのような役割を持たせることも可能です。

構築したファイルサーバーではどのような構成にしたのかは次回の「入れ子になったミラー加速パリティ」で紹介いたします。


  1. Direct Attached Storage ↩︎

  2. Storage Area Network ↩︎

  3. Direct Attached Storage ↩︎


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