最近、業務にて使用するファイルサーバーをWindows Serverを用いて構築しました。 今回構築したファイルサーバーはいろいろな技術を使って成り立っていますので、1つ1つ紹介させていただきます。
連載予定は以下の通りで、今回は ① を紹介いたします。
連載予定
①:フェールオーバークラスター 【今回の記事】
②:クラスター共有ボリューム
③:記憶域スペース
④:記憶域スペースダイレクト
⑤:入れ子になったミラー加速パリティ
⑥:データ重複除去
⑦:シャドウコピー
⑧:BitLockerの解除キー(ADとリカバリキー)
番外編:DFS名前空間
① フェールオーバークラスター
今回はWindows Server Failover Cluster(WSFC)というWindows Serverの機能を使用してファイルサーバーを構築しております。ファイルサーバーとして使ったり、Hyper-Vのホストとして活躍することが多いです。
簡単に言うと、1台サーバーが故障しても、もう1台に切り変えて動作を継続するサーバーです。
大きく構築方法が2つあります。
① 共有ディスク(SAN「Storage Area Network」)を使った方法
書き込み先はネットワーク上のディスクのため、1台のサーバーがダメになっても、接続元のサーバーが切り替わることですぐに復旧できます。
ただし、この共有ディスクを利用するには、FC(光ファイバ)、FAoE、iSCSI、などを使いSANスイッチ(ハブみたいなもの)やストレージ専用の機械など用意が必要で、ハードルが高いのが欠点です
② 専用ディスク(DAS「Direct Attached Storage」)を使った方法
サーバー上、または1台のサーバーと1対1で接続されたディスクを利用するパターンです。1対1のため、障害が起きると、それに紐づくディスクも使えなくなってしまいます。
そのため、何らかの方法で、ディスクの内容を常に同期させる必要があります。その方法はサードパーティ製品をつかったり、純正の機能をつかったりといろいろあります。
メリットとしては、ディスクの用意が簡単であることですがデメリットとして、構築の難易度が高かったことです。
※「高かった」と表現しているのは、最近この辺がWindows標準機能で楽になったからです。今回はこちらを利用しております。
今回構築したファイルサーバーでは、DASの構成に近いものになりますがちょっと違ったものとなりますので、のちに説明いたしますが、2台構成のフェールオーバークラスターを採用しており1台のサーバー障害+1つのドライブ障害が起きても稼働を止めることがない可用性となっております。
と、こんな感じで小分けに紹介していきますので今後もよろしくお願いいたします。