皆さん、こんにちは。Sky株式会社広報部のライターです。 近年、特に注目が集まっている人工知能(AI)。スマートフォンの音声アシスタントやカスタマーサポートのチャットボット、自動で掃除してくれるロボットなど、私たちの日常にある製品・サービスに使用され、とても身近な存在になっています。今回は、Sky株式会社が力を入れているAI技術を活用したシステム開発についてご紹介します。
AIの歴史
今では当たり前のように使われている「AI」という言葉。まずはAIそのものについて簡単に解説します。文部科学省の令和6年版科学技術・イノベーション白書によると、AIという言葉は、1955年に米国の計算機科学研究者ジョン・マッカーシー博士が作った言葉で、ダートマス会議(1956年)の開催提案書の中で使われました。AIについては、いまだ国際的に合意された定義はありませんが、「人間の思考プロセスと同じような形で動作するプログラム」または「人間が知的と感じる情報処理・技術」といった広い概念で理解されています。
時が流れ、現代ではAI分野で日々新たな技術やモデルが発表されるようになり、目覚ましい技術革新が進んでいます。
2022年のOpenAIによる対話型AI「ChatGPT」の発表を契機に、特に注目されているのが「生成AI」です。テキスト、画像、音声などを自律的に生成できるAI技術の総称を示します。今や、大手企業からスタートアップ企業まで多くの企業が生成AIを開発しています。総務省の令和7年版情報通信白書によると、総務省の2024年度調査で何らかの生成AIサービスを「使っている(使ったことがある)」と回答した割合は26.7%でした。2023年度調査では、同様の質問の割合が9.1%だったことを踏まえると、利用経験は拡大し、より身近になってきているといえます。
画像認識から始まったSkyのAI技術
前述のとおり、近年ますます注目度が高まっているAIですが、Sky株式会社はどのようにAI技術と関わり、発展させてきたのでしょうか?
Sky株式会社は1985年に創業し、自社商品開発や業務系システム開発など、幅広い事業を展開してきました。中でも、創業時より強みとしてきたのが、組込み / 制御システム開発です。特に、デジタルカメラやデジタル複合機、カーナビゲーションなどの開発を通じ、画像を扱う技術を伸ばしていきました。画像に写る人や物を認識する「画像認識」のノウハウも蓄積。2010年代に入って技術者の中でAI技術が注目され始め、Sky株式会社がAI技術に取り組む際も、得意分野である画像認識から着手していきました。
さて、この画像認識におけるAI技術とは、一体どのようなものでしょうか? 車の自動運転を例に考えてみましょう。自動運転の実現には、物体検知が欠かせません。安全な運転のために、周囲の車や歩行者、バイク、道路の白線といったさまざまなものを読み取る必要があります。そこで、AIに大量のデータを読み込ませ、AIが読み取るべき対象を認識できるようにする機械学習の一種、ディープラーニングを行います。従来の画像認識技術の場合、手動で画像内の色や明るさ、物体の形状といった対象物を特定するための要素である「特徴量」などを設計し、それに基づいて分類や認識を行っていました。ディープラーニングの場合は大量のデータを学習して特徴量を抽出するため、認識精度が向上するとともに、開発時間の短縮も可能になります。
こうした画像認識技術は今、製品の外観検査や仕分け、金融審査での書類チェック、施設での来場者数カウントといった幅広いシーンで活用され、業務効率化につながっています。
SKYPCEにもAI技術を活用
現在Sky株式会社が販売に力を入れている自社商品の営業名刺管理「SKYPCE」にも、AI技術が使われています。お客様からお預かりした名刺画像を基に情報をデータ化する上で欠かせない技術にOCR(光学的文字認識)がありますが、SKYPCEではAIを活用したAI-OCRでテキストデータ化しています。
お客様がスキャナーやiPhoneを使って取り込んだ名刺画像は、お客様組織内のSKYPCEサーバーとSkyクラウドサーバーを経由して、Sky株式会社の社内サーバーに送られます。AI-OCRの結果がSKYPCEに反映されると、これらをオペレーターが目視でチェックして、誤りがあれば修正します。このようにAI技術を活用したAI-OCRとオペレーターのチェックを通じて、名刺の読み込み精度99.9%を実現しています。また、名刺データ入力作業は、すべて国内・自社内で行っています。
現在、AI-OCRのさらなる精度アップにも取り組んでおり、そのノウハウは受託開発でも活用できます。活用ケースとしては、公共料金の帳票や、自治体・病院で提供される印字書類などの紙の資料、項目が分類されていない電子ファイルなどが挙げられます。
AIを活用したSKYPCEの名刺データ化作業について、詳しくはこちらをご覧ください。
SkyとAIのこれから
画像認識からスタートしてAI技術を強化してきたSky株式会社。今では、データ分析やMLOps、エッジといったさまざまな領域にAI技術を活用しています。2025年4月現在でAI技術者は約150名、画像認識技術者は約220名が所属。さらなる技術向上のため、第一線で活躍されている専門家の方々と毎月ミーティングを実施し、学び続けています。 今後もこれまで培ってきた技術を生かし、AIのシステム開発には欠かせないPoC(概念実証)から、システム化までをワンストップでサポートしていきます。
AI・画像認識に関する詳しい事業内容はこちらのページでまとめていますので、ぜひご覧ください。
いかがだったでしょうか? 今回の記事は技術者ではないライターの身として執筆したため、適した表現ではない部分があったかもしれませんが、少しでもわかりやすくお伝えできていれば幸いです。
Sky株式会社ではさらなるAI領域の開発力強化のため、キャリア採用においてAIエンジニア(画像認識・データサイエンス)を募集しています。自動車、業務系システム、デジタルカメラなどのお客様製品、自社商品などのさまざまな分野で最先端のAI技術に触れ、スキルを高められるのが特徴です。
興味をお持ちの方は、Sky株式会社で活躍するAIエンジニアのインタビュー記事や各採用サイトも合わせてぜひご覧ください。