インフラSEの​レガシーシステムとの​闘い

インフラSEのレガシーシステムとの闘い

VBScriptの廃止スケジュールを例に、インフラSEが直面する『レガシーシステムとの闘い』と、日頃の情報収集(キャッチアップ)の重要性を解説します。(ICTソリューション事業本部 SI部 インフラ課)


はじめに

皆さん、こんにちは。私はSI(システムインテグレーション)案件のインフラSEとして、システムの設計および構築を担当しています。

Sky株式会社が提供するSI事業は、特定のベンダーに依存しない「マルチベンダー」を強みとしており、お客様の課題やニーズに対して最適なソリューションを選定・提案・導入することが可能です。今回は、最近担当したクライアントサーバー領域の案件を通じて直面した、インフラSEにおける代表的な課題の一つである「レガシーシステムとの闘い」についてご紹介します。

レガシーシステムとの​闘い

「レガシーシステム」とは、一般的に過去の技術や仕組みで構築され、老朽化やブラックボックス化が進んでいるシステムを指します。インフラSEとしてシステムの設計や構築に携わっていると、セキュリティ対策の強化、製品やソリューションの世代交代、またはシステムの統廃合などに伴い、従来利用できていた機能が突然使えなくなるケースが多々発生します。

代表的な例として、弊社でも取り扱う機会が多いMicrosoft製品における、セキュリティ向上を目的としたレガシー機能の廃止が挙げられます。特に実業務への影響が大きい変更点として、VBScript(Visual Basic Scripting Edition)の非推奨化が進行中です。2024年5月に発表されたタイムラインに基づき、VBScriptは以下の3段階(フェーズ)にわたって段階的に完全削除される予定です。

フェーズ 対象時期 / ビルド 技術的挙動・システムへの影響
Phase 1 2024年 第2四半期
(Windows 11 24H2)
FOD(Features on Demand:オンデマンド機能)として初期状態からインストールされており、通常どおり利用可能。
Phase 2 2027年ごろ FODとしては初期状態で無効化(未インストール状態)となるため、VBScriptに依存するアプリケーションなどが動作しなくなる。動作させるには手動でFODを有効化する必要がある。
Phase 3 将来のリリース(時期未定) VBScriptがFODからも完全に削除され、使用不可能となる。この段階までに、代替手段への切り替えを完了させておく必要がある。

VBScriptは、長年にわたり各種アプリケーションの制御や、PCログイン時に動作するログオンスクリプトなど、多くのシステムで広く活用されてきました。そのため、Phase 3で完全に廃止されるまでの間に、稼働中のシステム内に存在するVBScriptをすべて洗い出し、移行計画を立てて順次対応していく必要があります。

私たちの開発環境や支援ツールも例外ではありません。クライアント端末を大量展開する際に使用する社内ツールや、お客様の環境ですでに稼働しているログオンスクリプトの多くがVBScriptで記述されており、これらもすべて移行対象となっています。依存関係が明確でシンプルなものであれば移行や修正は容易ですが、複数のシステムと複雑に絡み合っている場合、その洗い出しと修正には多大な工数を要します。現在、Microsoft社をはじめシステム開発の各分野において、VBScriptからの脱却が急速に進められています。

まとめ

IT業界において、長年にわたりシステムを支えてきた実績ある技術であっても、セキュリティ基準の変化やメーカーのロードマップによって、いつかは「レガシー」となり、役割を終えるときが来ます。

最新技術を積極的に取り入れていく姿勢はもちろん重要ですが、それと同時に、自分たちが日常業務やシステム構築で利用している技術のサポート終了をいち早く察知し、適切な後継ソリューションへ安全に移行させる準備を行うことも、インフラSEにとって重要な役割です。これらを実現するためには、日頃からの情報収集とキャッチアップが欠かせません。皆さんも、ご自身の関わっている技術領域の最新動向には常にアンテナを張り、こまめな情報収集を心がけていきましょう。

(出典: Microsoft「VBScript deprecation: Timelines and next steps」)

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