普段はパンフレットやチラシなどのデザイン制作を担当している広報担当者が、社内のセキュアな環境で生成AI「Gemini」などを活用して自作した「HTML形式のデジタル検版アプリ」による、印刷前のミスを防ぐための地道な工夫や、これからのAI活用の可能性についてご紹介します。(広報部 広報課)
デザインへのこだわりと、忘れたくない「伝える正確さ」
昨今、生成AIによる画像やデザインの自動生成といった華やかな活用事例が、メディアなどでも大きな注目を集めています。洗練されたクリエーティブは広報活動において大変重要であり、私自身も日々進化するテクノロジーのトレンドに関心を寄せています。
しかし、どれほど高品質なデザインであっても、その土台に「正確さ」がなければ、企業の信頼を損ねかねません。ほんの少しの誤字脱字があるだけで、せっかくのメッセージが正しく届かなくなってしまうからです。
そこで私は、「地道なミスの防止にこそAIを活用できないか」と考え、個人での業務改善に取り組み始めました。
生成AIと作成した、ブラウザーで動作する「HTML検版アプリ」
弊社には、安全性が確保されたセキュアなAI環境が整っており、社員が主体的に業務へ利活用することが推奨されています。この心強い環境に後押しされ、私は社内専用のAIツールや生成AI「Gemini」を活用して、Webブラウザー上で手軽に動作する「HTML形式のデジタル検版アプリ」を開発しました。

特別なソフトウェアのインストールは不要で、HTML形式のファイルをブラウザーにドラッグ&ドロップするだけで、誰でも簡単に利用できるアプリです。
印刷物の制作における最終チェック段階では、1か所のテキストを修正しただけでも、予期せぬ範囲のテキストが消えてしまったり、レイアウトや画像の位置がずれてしまったりすることがあります。細心の注意を払っていても、人の目だけでは防ぎきれないミスが生じるケースは少なくありません。
この検版アプリは、修正前後のファイルを比較し、人の目では気づきにくい「微細な変化」を瞬時に検出して赤字で表示します。これにより、見落としによるミスを効果的に防止できます。現在は実際に日々の実務に取り入れ、試行錯誤しながら運用をスタートしています。
1.比較用PDFの用意
※生成AIを使用してサンプルを作成しています。

2.変更部分の自動検出
変更した部分が赤字として検出されます。

信頼を届けるために、これから広げるAIの可能性
今後はPDFの比較だけでなく、テキストの校正や表記ルールのチェックなど、さらに多様な業務においてAIを活用したミス防止の手法を探求していきたいと考えています。
AIのサポートを得てチェック業務の精度と効率を高めることで、より付加価値の高い、クリエーティブな企画制作に時間と情熱を注げる環境づくりを目指します。
信頼を守るためのセーフティネット(確実なチェック機能)として、AIの主体的な活用を進めています。一人ひとりの小さな気づきや工夫が、将来の業務プロセスを大きく変える原動力になると信じています。今後も急速に進化するAI技術を柔軟に取り入れながら、より正確で信頼される情報発信に向けて挑戦を続けてまいります!

