今回は、民間・文教・公共問わず導入が伸びているシンクライアントシステム、SKYDIV Desktop Clientのご紹介と、自治体における情報セキュリティの取り組みについてご紹介します。
SKYDIV Desktop Clientの概要
SKYDIV Desktop Clientは、Windows Serverによるシンクライアントシステムの運用管理を支援するソフトウェアです。VDI / SBC / Linux SBCの3つの仮想化方式に対応。お客様の運用に合わせて組み合わせてご利用いただけます。
自治体における情報セキュリティの強化
2015年に起きた日本年金機構による情報漏洩インシデントを踏まえ、自治体の情報セキュリティとネットワークの強靱化を目的に、2016年に総務省が発表した自治体情報セキュリティに対するガイドラインを公開しました。翌年の2017年には各自治体でマイナンバーの取り扱いが開始されることから、ネットワークを分離する強靱化対策が急務となりました。この構成がα(アルファ)モデルと呼ばれる構成であり、全国の自治体で採用されている“三層分離モデル”のベースとなっています。こちらにSKYDIV Desktop Clientが多く導入いただけることとなりました。
αモデルの課題
一方で、αモデルの課題が浮き彫りになってきました。各自治体の現場での運用面での負担は大きく、
- 各接続系で複数台の業務端末を新たに設置することになる
- 各接続系間をまたがってのファイル操作は必要な情報を紙に印刷してもう一度手入力が必要に
- 無害化に準拠したメディアを都度使用しなければならない
- 無害化装置自体のパフォーマンスインパクトにより業務効率が著しくダウン
- クラウドファースト原則との矛盾(利用したいクラウドサービスが使えない)
といった、業務効率と利便性に関するさまざまな運用課題がありました。
新型コロナウイルスの影響
また、2020年ごろから猛威を振るった新型コロナウイルスによる感染症拡大により、世界中でリモートワークが普及しましたが、構成上リモートワーク導入が困難といった点も大きな課題となりました。
βモデルの提唱
このような情勢下で2020年12月にガイドラインの改訂が行われ、β(ベータ)モデルが新たに提唱されました。この内容では、上記の運用課題の改善に主眼が置かれるものとなり、LGWAN系に置かれた一部の業務システムをインターネット接続系に配置し、インターネットを用いた業務利用を認めるという内容が盛り込まれました。インターネット接続系に配置された業務端末からLGWAN接続系端末へのアクセスは、主にVDI等によるレンダリングで無害化を担保した上で、インターネットを介したテレワークに対応したのが大きなポイントとなります。
今後の展望
本格的に来年度から各自治体で強靱化のリプレースが始まります。βモデルを軸にSKYDIV Desktop Clientが採択されるように機能改善もされておりますので、どうぞご期待ください!