AI(人工知能)のビジネス活用方法や導入方法、メリットについて解説
AI(人工知能)を活用したシステムが普及し、家電製品やスマートフォンにも搭載されるなど、日々の生活の中でAIを身近に感じられる場面が増えています。 ビジネスにAIを活用する動きも広がっており、企業・組織におけるさまざまな活用事例が登場していますが、一方で「どのように活用すれば良いかわからない」「詳しいメリット・デメリットを知りたい」と感じることもあるのではないでしょうか。 この記事では、AIのビジネスへの活用について、基本的な知識から業界ごとの具体的な事例まで詳しく解説していきます。
AI(人工知能)とは何か?
AI(人工知能)とは「Artificial Intelligence」を略した言葉で、コンピューターに人間の脳のような知能や学習能力を持たせ、機械で人間の知的活動を再現することを目指して開発された技術のことです。大量のデータを分析してパターンや関係性を見つけ出す「機械学習」を行うことで、知見に基づいた推論や意思決定を可能にします。
AIの詳細な定義は定められていませんが、世界で初めてAIという単語を提唱したジョン・マッカーシー教授は、「知的な機械、特に、知的なコンピュータープログラムを作る科学と技術」と表現しています。また、一般社団法人人工知能学会の設立趣意書では、「大量の知識データに対して、高度な推論を的確に行うことを目指したもの」と記されています。
AIにできること5選
技術の進歩とともに、AIがビジネスシーンで活用される事例も増えています。AIが行える業務の代表的な例としては、以下の5つのようなものがあります。
- 画像認識…画像に写っている文字や人の顔、物などを自動で識別・検出します。
- 音声認識…人が発する音声を解析し、テキスト化や声の識別などを行います。
- 自然言語処理…文脈を踏まえた言葉の意味を解析し、翻訳や要約などの処理を行います。
- 推測 / 予測…過去のデータを分析し、未来についての予測や、最適な手段についての推論を行います。
- 機械制御…ロボットや生産設備などの制御を自動で行います。
また、音声認識の結果をもとに機械の制御を行うなど、複数の能力を組み合わせることでより複雑な業務を実行することも可能です。
AIをビジネスに活用する目的
これまで人の手で行われていた業務にAIを導入することには、どのような目的があるのでしょうか。ここでは、AIの特性を生かした活用の形について紹介します。
個々に合わせた体験の提供
AIは、データから傾向を分析することが得意です。そのため、AIを活用することでユーザーの属性や行動履歴に基づいた傾向を割り出し、個々のニーズに合うようパーソナライズされたサービスを提供できます。
好みに合った製品の提案のほか、チャットボットによる疑問の解消なども、顧客体験の向上につながります。
ルーティン等の効率化
ルーティンワークや単純作業の自動化を行うことで、業務の効率化が期待できます。自動応答メールの作成やデータ入力、物流管理、在庫管理などをAIによって自動化できれば、従業員はほかのクリエーティブな業務に時間を割けるようになります。
AIは一定の規則に従って繰り返し行う作業に向いているため、均一な精度と速度でルーティンワークをこなすことが可能です。
ビッグデータの分析と活用
人間には把握しきれないような膨大な量のデータでも、AIであれば迅速かつ効率的に処理できます。そのためAIを活用すれば、ビッグデータを分析して流行や需要を予測し、予測に基づいた戦略的なビジネスを行うことが可能です。
分析・予測の専門的な知識を持った人材が不足していても、ニーズを的確に捉えたサービスの提供を実現できる可能性があります。
品質向上
AIを使えば、機械的に異常を検知することが可能です。人の目では見落としやすい問題も逃さず検出し、人の主観によって判断にぶれが生じてしまうような内容についても、あらかじめ定められた基準に基づいてチェックできます。こうした利点があることから、AIは製品やサービスの品質向上に役立てられています。
自然言語処理
自然言語処理には主に「言語理解」と「言語生成」という2つの技術があり、これらを組み合わせることで、ChatGPTのように高度な質疑応答が行えるシステムも登場しています。
こうした技術を活用すれば、AIによるテキストデータの分類や要約、顧客からのレビューの分析、競合他社の市場分析といった複雑な処理を行うことも可能です。
トラブルの予防
モノをインターネットにつなぐことでデータを収集する「IoTデバイス」と、AI技術を組み合わせることで、IoTデバイスのセンサが取得したデータをAIが解析し、より高精度な異常検知を行うことが可能になります。
これにより、機械の故障やトラブルを未然に防ぐことができるため、事故の防止やメンテナンスコストの削減につながります。
AIをビジネスに活用するメリット
ビジネスシーンでAIを導入すると、これまでに紹介したさまざまな目的を達成できるほかにも、多くのメリットをもたらします。たとえば、以下の5つのような効果が期待できます。
業務の効率化
AIを導入するメリットとしてまず挙げられるのが、業務を効率化できるという点です。定型業務や分析業務といった、人の手で行う場合の負担が大きい作業をAIに任せることで、人は創造的な業務や根幹的な業務により労力をかけられます。
特に近年のビジネスシーンでは、デジタル化の影響から膨大な量のデータを扱う場面が増えており、入力や集計に手間を取られてしまうことも少なくありません。そのため、単純作業や定型作業をAIが処理するようになれば、業務の大幅な効率化が見込めます。
業務の安定化による生産性向上
人の手で業務を行う場合、担当者の感情やコンディション、技術、経験値などの要因によって品質にばらつきが生じてしまうケースがあります。しかしAIであれば、機械的に設定されたとおりの結果を常に出力し、長時間の継続した稼働でも業務の質や速度を落とさず対応することが可能です。その結果、安定して業務を行えるようになり、生産性を向上できるというメリットがあります。
人材不足の解消
前述のように、従来は人の手で行っていた業務を代行して負担を減らせる点は、AIを活用する大きなメリットの一つです。そのため業界によっては、人手不足を解消するための手段としてAIの活用が進められています。
特に人手不足が深刻化している例として挙げられるのが、飲食業界や介護業界です。飲食店ではレジや注文、配膳にAIを搭載した機器を利用する事例が増えており、介護業界では利用者とのコミュニケーションにロボットを導入するなど、人の手で行わなければならない業務を減らす取り組みが進んでいます。
業務上のミスの削減
どんなに能力のある人でも、ヒューマンエラーが起きる可能性を0にすることは困難です。プログラムされたとおりに作業を行うAIを活用すれば、ヒューマンエラーによるミスを削減できるほか、AIそのものに異常を検知する機能を持たせることも可能なため、不良品の見逃しや機器の異常に伴うトラブルの防止につながります。
また、危険性の高い作業をAIが代わりに担うようになることで、業務上のミスによって従業員が危険にさらされる可能性を減らせるというメリットもあります。
コスト削減
AIを使ったシステムは、導入にコストがかかる印象もありますが、上記のようなさまざまなメリットがあることから、継続的に運用していけばコストの削減も目指せます。
具体的には、AIが業務を行うことによる人件費の削減や、業務効率化・生産性向上による時間的なコストの削減が期待できます。また、業務上のミスを減少させることにより、ミスや事故が起こってしまった場合に発生する損失を最低限に抑えることも可能です。
AIをビジネスに活用するデメリット
AIのビジネスへの活用には多くのメリットがある一方で、問題視されている点も少なからず存在します。主なデメリットとして、以下のような点に注意が必要です。
AI失業が起こるリスク
AIの導入は、人材不足の解消につながるというメリットがある反面、人の仕事を奪ってしまうかもしれないという難点があります。現在は人の手で行っている業務であっても、将来的にAIが担うようになり、失業者を生むケースは多いと予測されています。
しかし、AIより人のほうが得意な業務は奪われないとされているほか、AIの運用に携わる業種は逆に需要が増えていくとも考えられており、求人そのものが激減するわけではないといわれています。
情報漏洩のリスク
大量のデータから学習を行ったり、業務に必要な情報を処理したりと、AIはインターネットを経由して多くの情報のやりとりをすることで成り立っているシステムです。そのためビジネスシーンで活用する際には、インターネットを介して顧客情報や機密情報の送受信をする可能性があり、情報漏洩のリスクがあります。
まずは社内のセキュリティ教育や、利用に関するルールの確立を進めることが大切です。また、AIが業務を担っていると、問題が起こった場合の責任の所在を追求しにくい点にも注意しなければなりません。
導入時のコストや運用の手間がかかる
AIの業務への活用がコスト削減に寄与する一方で、導入や維持には一定のコストがかかります。初期費用としてシステムの構築に費用がかかるほか、社内にAIを管理・運用できる人材がいない場合には、かえって人件費が増加するケースもあります。
また、AIに質の高い業務を遂行させるには、良質なデータを大量に集めて処理する必要があるため、手間やコストがかかります。導入によって削減できるコストとのバランスを見ながら検討することが大切です。
製造業でのAI活用
工場の検品
製造業では、AIによる画像認識システムを活用することで、製品の検品作業の自動化に成功しています。AIが担うのは、傷やへこみ、異物混入などを含む製品を取り除くために行われる「外観検査」です。
これまで外観検査は目視で行われていましたが、熟練の検査員でなければ対応できず、検査漏れを完全に防止することが難しいという問題がありました。そこで構築されたのが、AIに検査技術を学習させ、画像認識技術を用いて見た目の異常を検知するシステムです。ロボットアームと連動すれば、検品しながら自動で不良品を取り除くこともできます。
在庫の数の管理
工場内の在庫管理には、AIの持つ分析力や予測の技術が役立てられています。
製造業では、時期によって変動する注文数に合わせて製造数を調整しなければならず、在庫が多いほど管理・維持費用の負担が大きくなってしまいます。そこでAIに発注数などの履歴データを学習させ、適切な在庫数を分析させることで、自動で補充する数やタイミングを最適化できるシステムが構築されました。
また、画像認識技術を組み込んだドローンを活用することで、日々の在庫数の確認も自動で行える仕組みも存在します。
小売業でのAI活用
需要の予測によるコストの削減
近年話題になっている「SDGs」への対策や、売れ残りが出ることによって発生するコストの削減のために、小売店では売上を正確に予測して商品の準備をすることが求められています。
そのため大手スーパーでは、AIを活用した商品発注システムを導入することで、自動で販売数を予測できるシステムが活用されています。商品の価格や店頭での陳列数のほか、気温や降水確率、曜日、客足といったさまざまな情報からAIが需要を分析し、最適な販売数を割り出します。
無人レジの採用
小売店では、AI技術を活用した無人レジの導入も進められています。無人レジとは、利用客が自分でバーコードをスキャンするセルフレジとは異なり、自動で商品をスキャンして合計金額が計算されるレジシステムのことです。
人件費を削減できる反面、欠品や盗難のリスクがあることから、店内に設置された監視カメラの映像をAIが分析してトラブルを防ぐ仕組みとなっています。品出しを行う必要があるため、店舗自体を完全に無人にはできないものの、レジについては従業員の配置が不要になります。
サービス業でのAI活用
価格の設定
提供するメニューの価格設定に、AIを活用している飲食店もあります。これらの飲食店では、原材料などの仕入れ値の変動や在庫状況に応じて、AIを活用したシステムで価格の変更を行っています。仕入れ値や購入時間帯、在庫状況などのデータをもとに、定められた範囲内で最適な価格をAIが分析し、決定します。
また、注文や決済もオンライン化することで、レジで注文を受ける従業員の配置も不要になっており、人件費を削減しながらもスムーズな対応が可能です。
画像認識を利用した品質の維持
商品の製造を自動化している飲食店では、均一な品質で商品を提供するために、AIによる画像認識技術を採用しています。
たとえばピザを作る場合、ピザ生地の直径から最適な具材の配置を計算することで、バランスよく具材を投入できる仕組みです。品質にばらつきが出るのを防ぐことができるだけでなく、具材がこぼれたりソースをかけ過ぎたりすることがないため、食品ロスを抑えながら迅速かつ大量に製造することができます。
金融業でのAI活用
不正利用等の検知
金融業界では、クレジットカードの不正利用などによる被害額が大きいことから、AIを活用した不正検知システムの導入が進んでいます。オンライン決済の普及や不正の手口の多様化により、従来のように人がチェックを行う方法ではすべての不正に対応しきれなくなっていましたが、AIの活用でより多くの不正を迅速に検知できるようになってきています。
不正利用の事例データが蓄積されていくことで自らパターンを学習し、より精度が高くなっていく点も、AIならではの強みです。
日経平均チャートの分析
日経平均チャートの分析にも、AIを活用することができます。人の手で大量のデータを分析するためには多大な労力が必要ですが、AIであれば過去30年間にも及ぶデータを分析してパターンを割り出し、翌月の平均株価を算出することも容易です。
また、決算データなどをもとにAIが株価を予測し、情報提供を行うサービスなども登場しています。これまで株式の取引では、さまざまな情報を収集・分析して株価を予測する必要がありましたが、現在は的中率の高いAI予測も登場しており、効率的な取引をサポートしています。
物流業でのAI活用
配車台数の最適化
物流業界では、物流量を適切に予測することで配車台数や人員の配置を計画しなければなりません。特に近年は、ネットショッピングの需要増加や人手不足により、切迫した状況が続いています。
これまでは、各企業の経験やノウハウによって配車計画を立案するケースがほとんどでした。しかしAIを活用すれば、自動で配車計画や配送ルートの立案を行うことが可能です。配送ルートや配車台数が自動で最適化されることで、手配スピードの向上や業務工数の削減、人手不足の緩和、大幅なコスト削減などの効果が見込まれます。
不動産業でのAI活用
土地や不動産の推定価格の算出
不動産の売却価格や賃貸の家賃は、これまで担当者が経験や勘を頼りに決定してきたため、見積もりには時間や手間がかかっていました。そこで、AIによる価格査定を取り入れることで、正確かつ迅速な対応が可能になりました
AIは、蓄積された過去の取引データや周辺の売却事例、地域の情報、住戸の向きや階層といった条件を短時間で分析し、客観的で正確な査定を行います。業者や担当者によって査定価格が変動することもないため、信頼性が高いという特長もあります。
お勧めの物件情報の提供
不動産業では、お勧めの物件情報の提供にもAIが活用されています。Webサイトなどで物件を検索すると、これまでの検索条件や閲覧履歴、お気に入りに登録した物件、行動履歴などの情報から、AIがユーザーの好みを学習してお勧めの物件をピックアップします。
気になる物件を一つひとつ確認していると、かなりの時間や労力が必要になってしまいますが、AIを使って好みに近い物件をレコメンドする機能があることで、探す手間を減らすことができます。
医療業でのAI活用
画像による診断と今後の予測
初期のがんは腫瘍が小さく、種類もさまざまであることから、せっかく早期に検査を行っても発見が難しいという問題がありました。そこで導入されたのが、AIの画像認識技術による診断支援です。
AIによる画像診断では、画像の自動撮影と医師による診断の支援を行い、業務の効率化と診断結果の質の向上を図ることができます。早期治療が鍵となるがんの診断において、専門医でも見逃すケースがある初期症状の発見を手助けしています。
また将来的には、今後病気を発症する確率や悪化する可能性についても、画像から診断できるようになるといわれています。
建設業でのAI活用
自動点検
インフラ整備の一環として、建設業界では高速道路やトンネルなどのほか、河川のコンクリート護岸についても劣化状況の調査を行っています。近年は豪雨による水害も多発していることから、河川におけるインフラ点検の重要度は高まっていますが、日本には35,000本以上の河川があるとされており、人員確保やコストの削減が課題となっていました。
そこで、AIの画像認識によって護岸設備の劣化を検知する点検システムが作られました。これにより、技術者の目視点検と変わらない点検精度を保ちながら、対応工数の大幅な削減を実現しました。
画像分析による道路の空洞調査
建設業界において、安全を守るための調査でAIが活躍している事例は、護岸のチェックだけではありません。たとえば、道路の空洞調査にもAIによる画像認識技術が活用されています。
従来の方法では、地中レーダー装置で読み取った画像を、専門の技術者が目視で確認していました。しかし作業負担が大きく、調査結果の質にも改善の余地があったことから、AIを使った画像データの解析が開始されました。AIの活用により、目視で行う場合の10分の1ほどの時間で、的確に地下空洞を発見することができるようになってきています。
農林業でのAI活用
ドローンによる農薬の散布でコスト削減
農林業では、AIを搭載したドローンを使って農薬を散布する事例が登場しています。人力での散布は体力面での負担が大きいほか、人体に有害な薬品を吸い込んでしまうリスクがありましたが、ドローンで散布を行うことでこれらの問題を回避することが可能です。
農薬散布用のドローンにAIを搭載するメリットは、空撮によって農場の状態を解析できる点にあります。画像認識を使って害虫が発生しているエリアを特定し、必要な農薬の量を調節できるため、コスト削減や品質向上が見込めます。
AI導入時に気をつけるポイント
導入目的の明確化
ビジネスへのAI導入を検討する場合、最初に行わなければならないのが導入目的を明確にすることです。現在の問題点や業務プロセスを洗い出し、どのようにAIを活用することで問題の解決が見込めるのかを分析します。
デジタル化の一環として「取りあえず導入してみよう」と考えてしまいがちなAIですが、導入さえすれば効果が得られるというものではありません。AIの導入によって本当に自社の課題を解決できるのか、しっかりと確認しておくことが重要です。
運用やメンテナンスについて考える
AIの導入後は、運用やメンテナンスのためにコストと労力を割くことになります。データの学習を繰り返すことで精度が高まっていく性質上、AIを効果的に活用するには、長期的な運用を前提として計画を立てることも重要です。そのため、導入時の一時的な負担だけでなく、その後の継続した負担についても考慮しておくことが推奨されます。
また、AI導入に向けたシステム変更によるリスクを最小限に抑えるためには、いきなり大規模な変更を行わず、まずは小規模な範囲から導入して徐々に拡大していくように計画を立てるのが良いとされています。
学習に必要なデータの準備
AIを業務で適切に活用できるようにするためには、大量のデータを用意して傾向やパターンを学習させることが欠かせません。
学習に必要なデータを用意する際は、なるべく量を確保すること以外にも、データの正確性や信頼性といった質についても注意が必要です。またAI学習を行うにあたっては、データの形式をそろえたり、入力漏れや誤りをチェックしたりといった前処理も必要なため、前処理の手法や対策についても検討することが大切です。
AIを活用できる人材の育成
大量の学習データの処理や、不具合が生じた場合の保守管理などを行うため、ビジネスへのAI活用には幅広いスキルが求められます。関連する主な職種としては、AIエンジニアやプログラマー、データサイエンティスト、データエンジニアなどがあります。
自社内で適切にAIを活用したシステムを運用していくためには、AIについての十分な知識とリテラシーを持つ人材を採用・育成していかなければなりません。しかし、人材の育成には数年単位の期間を要するといわれています。
適切な業者選び
AIを適切に扱える人材の採用・育成が困難な場合、外部の企業からサポートを受けるという選択肢もあります。そのためAIをより有効なかたちで活用していくためには、サポートを依頼する企業を慎重に選ぶことも重要です。
外部から業者を選ぶ際に意識すべきポイントとしては、以下のような要素が挙げられます。
- AI関連の開発実績の有無
- 導入目的を踏まえたサポートが受けられるか
- 開発に関連する幅広い知識があるか
- コストが予算に見合っているか
AIの活用に関するQ&A
学習用データはどうやって集める?
AIに学習させるためのデータセットを用意する際は、やみくもに量を増やすのではなく、「パターンの抜け漏れがないか」「パターンごとのデータ量のバランスは適切か」といった点に注意しながらデータを集めます。データ量が不十分な場合は、外部のサービスを利用して集めたり、データの水増しをしたりするケースもあります。
データの水増しとは、たとえば画像データの場合なら、回転や拡大を行うことで1つの画像から数パターンのデータを作成し、学習精度を向上させるといった手法です。
AI活用人材を育成する際の課題は?
AIを活用するための人材を育成する上での課題として、教材の見つけにくさや習得難易度の高さ、スキルアップの難しさが指摘されています。これは、教育に割ける人的リソースや実務に生かしやすい教材、実務経験が積めるような案件などが少ないことが原因として考えられます。
また、AIに関わる人材を育成するには数年単位の期間がかかると考えるのが一般的です。一例として、1年目に基礎知識の習得や研修、2年目に基礎スキルの学習や自社データを活用した実証を行い、3年目に実務経験を積んで応用スキルを身につけた場合、育成期間には最低でも3年程度を要することになります。
Sky株式会社のAIに関するサービス
車の自動運転や医療用の画像診断支援、工場での外観検査など、近年あらゆる現場でAI・画像認識を活用したシステムの実用化が進められています。
Sky株式会社では、急成長を続けるAI・画像認識システムを用いた開発について、技術面や知識面でのサポートを行うことが可能です。車載や医療、オフィス、FA(工場の自動化)といった幅広い分野でAIに関する開発に携わっており、新たな技術やノウハウを蓄積し続けています。
弊社が扱う技術は、画像認識やデータの作成・分析、エッジデバイスを用いたクラウドソリューションの構築などさまざまです。開発の全工程にわたるサポートから、個々のフェーズにおける数名単位でのエンジニア不足のカバーまで、柔軟な対応が可能です。
まとめ
ここまで、AIのビジネスへの活用について、どのようなことが実現できるのか、具体的な事例とともに紹介してきました。単に業務を自動化するだけにとどまらず、学習した事例をもとに自ら予測を立てて次の行動を判断できる点が、AIを搭載したシステムの強みです。
人材確保の難しさやセキュリティ面での対応、運用・コストの負担といった課題もありますが、AIを適切に活用することでさまざまなメリットが得られることも確かです。自社の課題解決にAIがどう役立てられるのか、ぜひ一度ご検討ください。