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モダナイゼーション・マイグレーション

モダナイゼーション・マイグレーション

ITシステムの大規模開発におけるモダナイゼーションとマイグレーションの違いやアプローチ方法、課題などについて説明しています。

昨今のITシステムの大規模開発においては、”新規システム”の開発は減少傾向にあると思います。

理由はさまざまあり、

  • 大手の企業においては、基幹業務で必要なシステムはすでに稼働していること
  • マイクロサービス化の流れもあり、小さくシステムを作る傾向があること
  • 要員確保やコストの問題で、大規模なチームを作る難易度が上がっていること

など、現在の技術志向や昨今の技術者不足も影響していると思います。

こういう背景もあり、”大規模なシステム開発”に限定すると、モダナイゼーション開発が主流になっているのではないかと思います。

モダナイゼーション/モダナイ

「近代化」「現代化」を表す
過去の技術や仕組みで構築されている古いシステムである「レガシーシステム」を刷新し、最新技術を活用してシステム全体を最適化すること

なぜモダナイゼーション開発が主流になっているかは、検索すると出てくると思うのでここでは割愛します。

  • 「2025年の崖」
  • DXを推進 とか

このモダナイですが、アプローチ方法は概ね3つに分かれます。

リプレイス

レガシーシステムを新システムに刷新すること。業務内容に即した要件定義を行った上で、ハードウェア・ソフトウェアの両面から、システムの改善を図る

リライト

古いプログラミング言語(コード)を新しいコードに書き換えること。リライトは、ソフトウェア面でのモダナイゼーション。

リホスト

レガシーシステムのプログラムを、新たなシステム基盤(機器やOS)に移行すること。リホストは、ハードウェア面でのモダナイゼーション。

開発規模(変更度合い大きさ)は、おおむね以下の通り。

リプレイス > リライト > リホスト

似たような言葉で マイグレーション がありますが、対応する日本語が異なるように、主に目的・アプローチが異なっています。

マイグレーション/マイグレ

「移行」「移転」を表す
既存のシステムやソフトウェア、データなどを、新しい環境や別の環境へ移行・移転すること

システムの改善<性能向上、保守性の向上、セキュリティの強化、運用コストの削減など>が期待されるかどうか、が違いです。

わかりやすくいうと、
現行システムで利用しているサーバOSやミドルウェア、開発言語のバージョンがEOLするので、

  • 最新バージョンに入れ替えるだけならマイグレ。
  • 上記に加えて、現行システムの改善を盛り込むのがモダナイ。

と考えると、おおむねあっていると思います。

言葉にすると小さな違いなので、
「どうせ変更を加えるのであれば、改善を盛り込む(モダナイ)方がいいのではないか?」
と思いますが、そんな簡単な話ではありません。

主に、以下の要因によって、改善を盛り込めないケースがあります。

1.コストの制約:

モダナイゼーションは、システムの再設計や再構築を伴うことが多く、時間とコストがかかります。これに対して、マイグレーションは通常、既存のシステムを新しい環境に移行するだけで済むため、比較的低コストで実施できます。

2.時間の制約:

ビジネスの要件や市場の変化に迅速に対応する必要がある場合、時間をかけてモダナイゼーションを行うよりも、短期間で完了するマイグレーションが選ばれることがあります。

3.リスクの回避:

モダナイゼーションは、システムの大幅な変更を伴うため、プロジェクトの失敗リスクが高まる可能性があります。既存のシステムを維持しつつ環境を移行するマイグレーションは、リスクを最小限に抑えることができます。

4.現行システムの安定性:

現行のシステムが十分に安定しており、特に性能や機能の改善が必要ない場合、マイグレーションだけで十分と判断されることがあります。

5.技術的な制約:

一部のシステムやアプリケーションは、特定の技術やプラットフォームに依存しているため、モダナイゼーションが技術的に難しい場合があります。このような場合、マイグレーションが現実的な選択肢となります。

6.ビジネスの優先順位:

ビジネスの戦略や優先順位によっては、モダナイゼーションよりも他のプロジェクトにリソースを割く必要がある場合があります。このような場合、マイグレーションで現状を維持することが選ばれることがあります。

すべての判断には、優先順位や経営方針などが反映されます。
ビジネスにおいては、予算が付かないというケースが往々にしてありますよね。

対して、ITスキルに関する問題も大きな課題になっていることがわかります。

前回のシステム開発を担当した諸先輩方が引退し、当時のことを知っている人がいないというのはよくある話です。
要件定義や設計書などのドキュメント類がすべて紙に印刷/手書きのため、一部しか残っていない/残っていても読み解けない、というケースも似た話です。

要は、システム要件や機能定義を明文化できないという課題です。

そして、それ以上に深刻な課題として、大規模なシステム開発を推進できる/成功させることができる人材が居ないというお話もあります。

日本でDX化が進まない理由として挙げられることが多い理由と同じです。
※モダナイも、広い意味ではDX化の一つです。

こういう背景があると思いますが、

  • もはやシステムの延命ができなくなるケースが増えている
  • 他社の動向を参考にして、DX化の対応としてモダナイを決断するユーザーが増えている
  • 新規開発が少ない現状があるため、ITベンダーがモダナイ提案を行うことが増えている

というような理由で、モダナイゼーション開発が増えていると考えています。

こういったモダナイゼーション開発において特に重要な要素となるのが、

  • 現行機能を踏襲できていることが証明できること
  • 現行システムより保守/運用のコストが低減できること

です。

プログラムを作る工数よりも、機能の現行踏襲を検証するための工数の方が多くかかるケースもあります。
また保守/運用のコスト低減には、技術的な専門性と共に、広い技術的な知見が必要になるケースがあります。

Sky株式会社ではこういった課題に対応する手段として、

  • 評価業務を専門性をもって担当するチーム
  • コスト低減を考えたインフラ設計を担当するチーム

をご提案しています。

ご興味がある方は、Sky株式会社のコーポレートページをご参照ください。

上記に関する詳細は、別記事でご紹介させていただく機会があると思うのでご期待ください。


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