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今回は実際の実用方法ついてです。
様々なプロジェクト管理ソフトがあるかと思いますが、オープンソースのRedmineをご紹介させていただきたいと思います。
■ Redmine
計画
まずWBSを作成します。
タスクを以下のようにチケットという単位で登録します。
私のチームではREST APIを使って一括登録を行っています。
登録した予定工数を合計すると「BAC(完成時総予算)」を算出することができます。
監視・コントロール
- PV
登録した開始日、終了日、予定工数を使ってPVを算出することができます。
例)
以下のタスク単一で例をあげます。
開始日:11/4
終了日:11/6
予定工数:24時間
11/4までのPVは24時間÷3=8時間となります。プロジェクト全体では上記のように計算したものを合計します。
- EV
メンバーに1日の業務が完了した際にチケットの進捗率を入力してもらいます。
予定工数に関して、進捗率をかけることでEVを算出できます。
例)
以下のタスク単一で例をあげます。
開始日:11/4
終了日:11/6
予定工数:24時間
進捗率:40%
EVは24時間×0.4=9.6時間となります。プロジェクト全体では上記のように計算したものを合計します。
- AC
メンバーは作業した際に作業時間を記録します。これによりACが算出されます。
例)
以下のタスク単一で例をあげます。
開始日:11/4
終了日:11/6
予定工数:24時間
作業時間:7時間
ACはそのまま7時間となります。プロジェクト全体では上記のように計算したものを合計します。
上記紹介したような考えでBAC,PV,EV,ACを出すことができます。
BAC:24時間 PV:8時間 EV:9.6時間 AC:7時間となります。
やや計画に対して前倒し、また使用した工数も計画以内となっていることがわかります。
私のチームではREST APIを使ってデータを収集しExcelで計算しています。
また、CSVでエクスポートしたものをExcelで集計しているチームもあります。
チケットの一覧画面で簡単にCSVにエクスポートができますので最初はこれで管理するのも良いと思います。
※RedmineのプラグインでEVMツールもありますが、チケットを100%完了にしないとEVに計上されない点もあり、私のチームではExcelで集計しています。
実際の例
実際のEVMの数値を参考にみてみましょう。
BAC | Complete EV | PV | EV | AC |
---|---|---|---|---|
225.6 | 72.89% | 164.0 | 164.4 | 159.9 |
SV | CV | SPI | CPI | CR | EAC | ETC | VAC |
---|---|---|---|---|---|---|---|
0.4 | 4.5 | 1.0 | 1.03 | 1.03 | 219.4 | 59.5 | 6.2 |
上記単位は時間となっています。
SVを見ると計画に対して0.4時間先行していることがわかります。進捗としては順調なようです。
CVから4.5時間予定よりも少ない工数しか使ってないことがわかります。
これは何か他の業務が入ったのか、少し計画より時間がかけられていないのが分かります。
CPIが1の場合計画通りの生産性、1より上回っている場合は生産性が計画よりも高い状態です。効率よく作業できているようです。
EACが現在の生産性を基にして最終かかったコストの予測になります。
もとの予算よりもやや少ないコストで完了できる見込みというのがわかります。
上記のEVMの数値はあくまで目安になります。
実際は計画よりも良い状態すぎたりすると、本当に正しくEVが算出出できているのか?見積りは適正だったのかと疑ったりします。
数値も使いながら実際はどうなのかとチェックも必要ですので、成果物や現場の見解もしっかりと確認をしましょう。
例では全体のEVMをあげましたが、基本設計、詳細設計、実装、単体テスト、結合テスト、システムテストとチケットでカテゴリを分けて工程毎に集計したり、作業者毎に集計したりすることでより細かく分析することも可能です。
分析することで工程毎の見積りの精度や作業者単位の生産性がわかり今後の改善や対策の参考情報として活用していくことができます。
私の場合はプロジェクトマネージャーを担当しており複数のプロジェクトを管理しているため、プロジェクトリーダーに社内の情報共有用のブログに週一進捗状況を記載していただいています。
そこでEVMの情報と、リーダーからの報告内容、課題、リスクの状況を確認し定例MTGの中で状況を把握しています。
参考になれば幸いです。