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公開日2025.03.13

CRMとは? 主な機能、メリット・デメリット、選び方のコツを紹介

著者:Sky株式会社

CRMとは? 主な機能、メリット・デメリット、選び方のコツを紹介

インターネットやスマートフォンの普及、加えて近年ではAI技術の発達により顧客の価値観は今まで以上に多様化しています。また、それに伴い、顧客もより良いサービスや商品を求めるようになり、企業間で既存顧客の取り合いが発生している状況です。こうしたなか、企業には顧客一人ひとりに最適なアプローチを行う「One to Oneマーケティング」の実現が求められています。CRMは、そのマーケティングを実現する上で非常に重要な役割を担うツールです。今回はCRMの概要やメリット・デメリット、ツールの選び方などを詳しくご紹介していきます。

CRMとは何か

CRMとは「Customer Relationship Management」の略であり、「顧客関係管理」と訳されます。CRMの主な目的は、顧客情報や顧客との関係性を一元的に管理し、顧客と良好な関係を築くことでビジネスをさらに発展させていくことです。近年では、CRMを実現するためのツールやシステムも含めてCRMと呼ばれています。

顧客の価値観が多様化している現代において、顧客一人ひとりのニーズに合わせて適切なアプローチを実施できるCRMが注目されています。

CRMとSFAやMAの違い

CRMと同様に顧客管理をサポートするツールとして、「SFA(Sales Force Automation)」や「MA(Marketing Automation)」などがあります。ここでは、各ツールの違いや特徴についてご紹介します。

CRMツールの特徴

CRMツールは「顧客情報や顧客との関係性を一元管理するツール」です。顧客の氏名や年齢、所属企業などの基本情報のほか、過去の購買履歴やお問い合わせ履歴など、あらゆる情報を一元管理します。CRMツールの活用により、顧客と良好な関係を築くための土台を整えることが可能です。

SFAツールの特徴

SFAツールは「企業の営業活動を効率化するツール」です。「営業支援システム」とも呼ばれ、顧客リストの管理や商談の進捗状況の確認など、営業活動を行う上で役立つさまざまな機能を搭載しています。また、CRMツールとの連携によって、商談に合わせた営業担当者の割り当てや見積書の作成、リマインドメールの送信といった業務の自動化も可能です。

CRMとの違いとしては、顧客マーケティングのためのツールか、営業活動のためのツールかという点が挙げられます。しかし、実際には線引きが難しいことも多く、最近ではCRM / SFAと、2つ併せて呼称されることも増えてきています。

MAツールの特徴

MAツールは「企業のマーケティング活動を自動化するツール」です。マーケティングにおける各種作業を自動化するだけでなく、Webサイトへのアクセス履歴や閲覧ページなどのトラッキングもできます。これにより見込み顧客一人ひとりのニーズが可視化され、それぞれの顧客に対して最適なアプローチの実施が可能です。

CRMは顧客データの管理や分析が主なのに対し、MAでは見込み顧客の育成やマーケティング活動の効率化に焦点を当てていることが、両者の大きな違いといえます。

CRMが注目されている理由

CRMは「顧客の価値観の多様化」「既存顧客の取り合い」「顧客対応の属人化」といった、現代の企業が抱えている課題の解決手段として注目されています。ここでは、CRMが注目されている理由について解説します。

価値観が多様化している

CRMが注目されている理由の一つとして、顧客の価値観が多様化していることが挙げられます。

これまでも時代とともに顧客の価値観は変化してきましたが、インターネットやスマートフォンの普及、近年ではAI技術の発達により、その変化はより複雑なものになっています。また、顧客は自分自身で情報を取捨選択できるようになり、マスメディアとの接点が減少し、広告やCMを見る機会が少なくなってきたのも大きな変化です。

従来の画一的なマーケティング戦略では、このような時代の変化についていくことができず、頭を悩ませている企業も少なくありません。その解決策として、あらゆる顧客情報を一元管理し、顧客一人ひとりがどのような商品やサービスを求めているのかを分析可能なCRMが注目されています。

既存顧客の取り合いが起きている

企業間で既存顧客の取り合いが起きていることも、CRMが注目されている理由の一つです。先述のとおり、時代や市場は絶えず変化し続けており、その変化から顧客自身もより良い商品やサービスへの乗り換えを検討しています。結果として、現代では既存顧客の取り合いが以前にも増して発生している状況です。

人口減少や広告費の増大などの背景から新規顧客獲得が難しい現代において、既存顧客の囲い込みは企業戦略として非常に重要です。CRMを導入すれば、既存顧客の情報を正確に把握し、最適なアプローチを実施できます。

属人化から脱出する必要がある

従来の営業方法では、一人の営業担当者が複数の顧客を受け持ち、専属の担当として一人で各顧客の情報を管理していました。しかし近年、顧客との接点の多様化や情報の増加により、営業担当者一人で顧客対応を実施するのが難しくなっています。加えて、業務が属人化していると、生産性や品質の低下、人的ミスの見逃しといった要因で顧客の信頼を失う可能性も高くなります。

CRMを活用すれば、そのような属人化している状況を解消でき、チーム全体で営業活動を行うことが可能になります。チームとして動くことができれば生産性が向上するほか、担当者がいない日でも顧客対応を行うことができ、顧客満足度の向上にもつながります。

CRMとSFAツールの主要機能

それでは、CRMとSFAのツールには具体的にどのような機能があるのでしょうか。ここでは、それぞれのツールに搭載されている主要機能をご紹介します。

CRM

CRMには顧客の情報を管理したり、顧客との関係構築を促進したりする機能が搭載されています。

機能 内容
顧客情報管理 顧客の氏名や年齢などの基本情報のほか、お問い合わせ内容やクレーム内容などを一元管理します。
顧客分析・マーケティング支援 蓄積された顧客情報を基に、マーケティングに生かせるさまざまな分析を行います。
プロモーション管理 メールの自動配信のほか、開封率を分析し、配信する時間帯やキャンペーン内容を検証することも可能です。

SFA

CRMは、顧客と良好な関係を築く情報の管理に重きを置いていたのに対し、SFAでは営業活動の内容に特化した機能を搭載しています。

機能 内容
顧客情報管理 対面で受け取った名刺と顧客情報とのひもづけなど、より営業に特化した顧客情報の管理を行います。
案件管理 企業名、営業担当者、進捗状況、受注予定日などの項目で、営業案件の詳細情報を管理します。
商談内容管理 商談の履歴や提案金額など、商談に関する内容を管理し、顧客に対するアプローチを検討する上で役立ちます。
営業活動管理 アポイント件数や提案商材数、受注率など、各営業担当者の活動実績の確認ができます。
売上予測・予実管理 さまざまな条件を選択して売上の予測を立てられるほか、予測と実績を比較・分析する機能も備わっています。
スケジュール管理 各営業担当者がスケジュールを入力することで、マネージャーを含めた部署・チーム全員にスケジュールの共有が可能です。

CRM / SFAツールを効率的に使用する方法

CRM / SFAツールは非常に便利なツールではありますが、ただ導入するだけでは思ったような効果を得ることは難しいです。ここではCRM / SFAツールをより効果的に活用するための方法をご紹介します。

目標を明確に設定する

CRM / SFAツールを使用するにあたって最初にすべきことは、目標を明確に設定することです。ツールの導入自体が目的になってしまうと、なぜCRM / SFAツールを導入するのかが不透明になり、効果的に使用できません。「何を効率化したいのか」「どのような問題を解決したいのか」など、社内の課題を事前に確認することが大切です。

また、実際に設定する目標は、数字などを用いて定量的に検証できる目標がお勧めです。例えば、「サービスの継続率を昨年より20%アップさせる」「年間の売上を10%上げるために、サイトの登録者を1か月あたり500人増やす」などです。加えて、現場の社員が具体的な行動を起こせるレベルにまで目標を落とし込んでいくと、社内全体での共有もしやすくなります。

戦略を立てる

目標を設定した後、実際にツールを活用していく上での戦略を練っていきます。ターゲットとなる顧客をセグメント分けし、自社が提供している商品やサービスの強み、特長を分析した上で具体的に戦略を立てることが重要です。目標と同様に、戦略に関しても現場レベルにまで落とし込むことで、スムーズなCRM / SFAツールの導入につながります。

また、顧客に対する戦略のみならず、導入後の運用体制など、組織内での戦略も併せて立てることが求められます。基本的にはITリテラシーの高い情報システム部門などでCRM / SFAツールを運用することが多いですが、もしそれ以外の部署が担当になる場合は、専門知識がなくても運用しやすいツールを選ぶなどの対応が必要です。

評価指標を決める

次に、CRM / SFAツールの導入効果を検証するための評価指標を決めていきます。例えば、営業部門であれば「見込み顧客からの受注率」や「アポイントの件数」、マーケティング部門であれば「メールの開封率」や「見込み顧客の生成率」など、具体的に数値化して検証できる指標を定めるのが一般的です。

評価指標は一度決めたら終わりではなく、効果検証を行うたびに内容の更新や微調整が求められます。CRM / SFAツールの効果を正しく検証できるように、PDCAサイクルを回しながら、定期的に評価指標を見直すことも重要です。

導入効果が出るまでの対策を行う

CRM / SFAツールは長期的に運用していくものであり、導入したからといってすぐに目に見える効果が出るわけではありません。よくあるCRM / SFAツールの導入失敗事例として、すぐに効果を体感できず、現場の従業員がツールの使用をやめてしまうケースが挙げられます。そうならないためにも事前に対策を行うことが重要です。

具体的には、現場の従業員に向けた説明会やセミナーを実施し、効果が出るまで時間がかかる旨を伝えることが効果的です。また、CRM / SFAツールを提供している企業は、導入にあたって想定される失敗要因や、それに関する対策方法なども豊富に蓄積しています。ツールの使用方法のみならず、効果的な活用に向けて従業員のモチベーションを向上させる方法をベンダー企業に尋ねるのも一つの対策です。

定性情報の分析に活用

CRM / SFAツールは定量情報の分析のほか、定性情報の分析にも活用可能です。定性情報とは、数値で表すことが難しい情報のことを指し、具体的には「商品を購入して良かった点」「サービスに満足できなかった理由」などが挙げられます。

CRM / SFAツールでは、メール配信やWebフォームで収集したさまざまな情報を拾い上げ、蓄積することが可能です。そのため、年齢、商品やサービスの購入回数といった定量的な情報のみならず、お問い合わせ内容やクレーム内容といった定性的な情報まで網羅できます。

蓄積された定性情報を一覧で確認することで、定量的な分析では見えてこなかった顧客の感情や心理状況までくみ取ることができ、より顧客に寄り添ったマーケティング戦略の立案が可能になります。

CRM導入メリット6選

CRMを導入することで、「生産効率の向上」や「属人化からの脱却」など、企業はさまざまなメリットを得ることができます。ここでは、企業が得られる各メリットについて解説していきます。

生産効率が上がる

CRMでは、顧客の氏名や連絡先といった基本情報のほか、顧客の流入経路や購入履歴など、あらゆる顧客情報を蓄積していきます。また、それらの情報はシステムで一元管理されるため、システムにアクセスできれば、どこからでもデータの抽出や分析が可能です。

これを生かし、例えば、営業部門とマーケティング部門など、各部門間の連携を強化することで、業務の生産効率を向上させることができます。

情報がリアルタイムで入手できる

CRMにはリアルタイムで情報が反映されていくため、常に最新の情報を確認することができます。これにより、実際の営業活動では、商談状況を入力してチームやマネージャーからの迅速なフォローを受けたり、顧客からのクレームに対して即時に対応したりといった使い方が可能です。

またマーケティングにおいても、CRMに蓄積された最新情報を分析することで、いち早く顧客のニーズを把握できます。

コア業務への専念が可能になる

クラウドサービス型のCRMを導入すれば、スマートフォン1台でいつでも顧客情報の確認が可能です。そのため、商談の間の隙間時間に次の商談相手の情報を確認するなど、時間の有効活用が可能になります。

そうして節約できた時間を生かし、営業やマーケティングのコア業務に専念できるようになれば、生産性や品質が向上し、ひいては企業の価値を高めることにもつながります。

属人化から脱却できる

CRMが注目されている理由でもご紹介しましたが、CRMの導入によって属人化から脱却し、チームとして動くことができます。そのため、仮に担当者が不在の時にトラブルが発生したとしても、ほかのチームメンバーがフォローに回るなどの対応が可能になります。

また、属人化を解消することでチームとしての結束力はより強固なものになり、成功事例や失敗事例の共有など、チームで成果を上げていく仕組みづくりの土台が整います。

チーム内の連携が取りやすい

CRMにはチーム内で連携を取りやすくする機能が数多く備わっています。従来ではデータを分析・共有する際、あらゆるところから情報をかき集め、それを見やすい形に整える必要がありました。CRMでは、システムが管理している情報をクリックするだけで、さまざまな切り口から、グラフや表などでレポートとして出力できます。

情報を可視化することで、チーム内での情報共有が行いやすくなり、連携もより強化されます。

顧客満足度が向上する

CRMを導入すれば、顧客の傾向やニーズを把握しやすくなり、顧客一人ひとりに合った最適なマーケティングを実施できます。こうした「One to Oneマーケティング」の実現は、結果として顧客満足度の向上に大きく寄与します。

また、顧客満足度が向上すれば、顧客単価やリピート率も上がり、LTV(顧客生涯価値)をさらに高めることが可能です。

CRM導入デメリット3選

導入するメリットが非常に多いCRMですが、いくつか注意しなければならない点もあります。ここでは、CRM導入におけるデメリットをご紹介します。

コストが必要

CRMを導入する上で一番のデメリットと言えるのが、初期費用や維持費などのコストが必要になることです。CRMにはクラウド型とオンプレミス型のシステムがあり、可能な限りコストを抑えたい場合は、クラウド型を選定するのがお勧めです。クラウド型はオンライン上に構築されたシステムを使用するため、サーバーを自社で用意する必要がなく、その分コストを抑えられます。

システムによっては無料トライアルを設けているものもあるため、それらを活用して事前に費用対効果を確認した上で導入するかどうかを検討することも重要です。

効果を体感するまでに時間が必要

CRMを導入したからといって、すぐに目に見える効果を体感できるわけではありません。CRMを活用するには「社内で運用を定着させる」「データを蓄積する」「マーケティングや営業の施策にデータを反映する」というステップが必要であり、それにはどうしても数か月単位の時間が必要です。

そもそもCRMは長期的に顧客と良好な関係を築くためのシステムです。各施策に対して検証を実施し、その結果を次の取り組みへ生かすというPDCAサイクルを回すことで、本来の効果を実感できるようになります。すぐに効果が表れなくても、中長期的に根気強く運用していく意識が大切です。

マニュアルや業務フローの見直しが必要

社内にCRMを定着させるためには、マニュアルや業務フローの見直しも必要になります。特にこれまで顧客情報を紙媒体で管理していた場合には、大幅な改修が必要になることも多いです。また、実際にCRMを使用するのは現場の従業員であるため、資料の配付や研修会の開催など、従業員に対して説明をする場を設けることも必須になります。

CRMと既存の業務プロセスとの整合性を確認し、必要に応じて現場の従業員から意見を吸い上げるなど、社内全体でCRMをスムーズに活用できるような環境を整えていくことが重要です。

CRM / SFAツールの選び方のポイント

現在、数多くのCRM / SFAツールが提供されています。それらの中から本当に自社に適したツールを選定するには、選び方のポイントをしっかり押さえておく必要があります。以下のポイントを押さえることで、適切なCRM / SFAツールの導入が可能です。

機能が充実しているか

CRM / SFAツールは、ツールによってそれぞれ搭載されている機能が異なります。そのため、自社の抱える課題や問題を解決できる機能が備わっているかは必ず確認すべきポイントです。加えて、無料トライアルを活用し、UIや実際の使用感を確認することも重要です。

また、CRM / SFAツールの最大のメリットは、顧客情報の一元管理によって他部署との連携を強化し、ビジネスの発展を促進することにあります。機能が多ければ多いほど良いというわけではありませんが、今後の活用の幅が広がるのも見据えた上で、機能が充実しているツールを選ぶことが大切です。

サポート体制が万全か

初めてCRM / SFAツールを導入する場合、運用や管理に必要な知識やノウハウが社内に蓄積されていません。そのため、実際にツールを使用するなかで疑問点が出てきた場合や、何かトラブルが発生した場合などに、サポートしてくれる体制が整っているかを確認することも重要です。

サポートには別途料金が発生するツールもあるため、価格を比較する際にはそれらの費用も考慮に入れる必要があります。また中には、電話やメールでの問い合わせのほか、無料で操作説明会やセミナーを開催しているツールも存在します。操作に不安がある場合は、そのようなツールを選定すると安心です。

セキュリティがしっかりしているか

CRM / SFAツールでは大量の個人情報を取り扱うため、ツール自体のセキュリティがしっかりしているかどうかも確認する必要があります。近年は不正アクセスの手口が巧妙化しており、特にPCやスマートフォンからでもアクセスできるCRM / SFAツールでは、情報漏洩に関して細心の注意を払うことが求められます。

ツール自体のセキュリティを確認する際は、「ツールを提供している会社がプライバシーマークを取得しているか」「ツールのログインに二段階認証が採用されているか」などを目安にします。加えて、ツールのセキュリティのみならず、組織として個人情報の保護に対する意識を高めることも重要です。

連携が取りやすいか

CRM / SFAツールは単体でも便利ですが、他のシステムと連携することでさらにその真価を発揮します。そのため、すでに自社で運用しているシステムとはもちろんのこと、将来的に連携する可能性があるほかのITツールとも連携が取れるかどうかは、ツールを選定する上で調べておきたいポイントです。

例えば、すでにPOSシステムを活用し、店舗での購買履歴をそのシステムに蓄積している場合は、過去のデータを生かすためにPOSシステムと連携できるCRM / SFAツールを選定する必要があります。

CRM / SFAの導入と活用成功事例

ここまで、CRM / SFAの概要やメリット、ツールを選定する際のポイントなどをご紹介してきました。ここではより具体的に、実際にCRM / SFAを導入し、活用に成功している事例をご紹介していきます。

【スポーツ事業】ファン一人ひとりとのコミュニケーションを強化

あるプロ野球球団は、ファン一人ひとりと親密なコミュニケーションを築くため、CRM / SFAを導入しています。この球団は、球場での体験づくりに強みがあったものの、デジタルマーケティングをうまく活用できておらず、ファンとの関係構築に課題を抱えていました。

そこで目をつけたのが、ファンデータを一元管理でき、一人ひとりに適切な情報を送り届けることができるCRM / SFAのシステムです。ファンの属性、顧客行動、購買履歴などのデータを総合的に分析し、多角的なアプローチを実現しています。具体的には「チケット購入画面で離脱したファンに対して、一定時間後にフォローメールの送信」「球場への来場者に対して、イベントやキャンペーン情報をアプリのプッシュ通知で案内」といった施策を実施しています。

このような施策を行った結果、ファンとのタッチポイントが増え、以前よりもファンが球団に対して愛着を持つようになりました。ファンが球団に興味を持っている証拠として、メールの配信本数がCRM / SFA導入前より1.3倍近くにまで増えたにも関わらず、メールのクリック率は約1.7倍とそれ以上の伸長を見せています。

【商社】案件の対応漏れがなくなり、組織全体の生産性も向上

ある商社では、これまでは案件の管理をエクセルで一つひとつ行っていたため、案件が増えるにつれて過去の案件が埋もれてしまい、どうしても新規の案件が優先されるという現状がありました。そのような課題を解決するため、活動履歴機能やAI受注予測機能を搭載したCRM / SFAを導入しています。

CRM / SFAを導入したことで、各案件のステータスがひと目でわかるようになり、長期的にアプローチが必要な顧客に対しても漏れなく対応できるようになりました。また、現場の従業員への定着を促すため、これまで使用していたエクセルをすべて撤廃したり、ツールに入力する項目を必要最低限にしたりといった工夫も行われています。

また、CRM / SFAの導入によって組織全体の生産性も向上しました。「CRM / SFAによって営業の進捗状況の把握が容易になり、会議の準備時間が削減されたこと」や「販売目標や活動目標の可視化によって、戦略の立案が容易になったこと」なども、CRM / SFAの導入による大きなメリットです。

【メーカー】日報提出の効率化と顧客対応の迅速化を実現

あるメーカー企業ではスケジュール管理ツールと日報報告ツールが別々に存在しており、「日報作成の負担が大きく、日報提出が遅れる」「顧客状況の把握に時間を要し、レスポンスが遅延する」などの課題を抱えていました。

そこで、業務の効率化や顧客対応の迅速化を目指し、各ツールを一元管理できるCRM / SFAを導入。導入前は日報作成に1時間ほどかかり、2週間分まとめて提出されることもあった状況が、導入後は毎日翌朝の8時半までに全員が日報を提出できる状況にまで改善されました。これにより、マネージャーはリアルタイムな営業報告を確認でき、各種判断も的確かつ迅速に下すことが可能になっています。

また、急な問い合わせへの迅速な顧客対応も実現しています。CRM / SFA内の履歴検索機能の活用により、導入前は最長1日以上かかっていたのが、導入後は最短30分程度にまで短縮されました。加えて、同機能を活用することで、過去の面談履歴を確認してから商談に臨むことが可能になり、売り込み型からヒアリング重視型へと営業スタイルを変化させています。より顧客のニーズに合った提案を実施できるようになった結果、顧客満足度も向上しました。

【教育事業】季節限定講座の残席管理の自動化に成功

教育事業を展開しているある企業では、夏期講座などの季節限定講座のオンライン申し込みにおける膨大な数の「残席管理」をすべて手作業で行っていました。講座や教室ごとに定員が異なるため業務の負担は非常に大きく、いつ申し込みの超過が発生するかわからない不安から、講座受付期間中は退勤後も気が休まらない状況だったといいます。そのような状況を改善し業務を効率化するべく、残席管理機能を搭載したCRM / SFAを導入しました。

CRM / SFAの導入により、WebサイトやWeb広告、チラシなどのさまざまなチャネルから流入した顧客をCRM / SFAのWebフォームに集約し、その上で各講座の残席管理をシステムにより自動化しました。リアルタイムでWebフォームに残席状況が反映されるため、業務効率化と同時に、集客の機会ロスも生むことなく講座を運営できています。

加えて、これまで残席管理に充てていた時間を削減できたことで、会員サイトに登録している顧客に講座への申し込みを促す案内を送付するなど、新たに申込数を増やすための施策を実施する余裕も生まれました。

まと

今回はCRMについてご紹介しました。CRMは、顧客情報や顧客との関係性を一元的に管理でき、顧客と良好な関係を築くのに役立ちます。また、生産性の向上や属人化の解消など、企業内におけるメリットも非常に多いです。

Sky株式会社では、「営業支援」「顧客サービス」「マーケティング支援」「フィールドサービス」といった多様な機能を搭載したCRM / SFAツールである「Microsoft Dynamics 365 Sales」の導入支援サービスやカスタマイズ支援サービスを提供しています。CRM / SFAにご興味がある場合は、ぜひSky株式会社までお問い合わせください。