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Sky株式会社

公開日2024.06.28更新日2024.09.05

CI/CDとは?意味やメリット、導入方法を解説

著者:Sky株式会社

CI/CDとは?意味やメリット、導入方法を解説

CI/CDとは?

CI/CDとは、ソフトウェアの開発プロセスに自動化を取り入れ、より高品質なアプリケーションをより迅速に顧客へ提供する手段のことを指します。CIは「Continuous Integration(継続的インテグレーション)」、CDは「Continuous Delivery(継続的デリバリー)」と「Continuous Deployment(継続的デプロイメント)」の2つの言葉の略称です。

CI(継続的インテグレーション)について

現代のソフトウェア開発では、1つのアプリケーションについて、複数のエンジニアがそれぞれ別の機能を同時に開発するのが当たり前になっています。しかし、各エンジニアが変更を加えるたびに手動でテストを実行したり、それらを統合して管理したりすることは容易ではありません。

この課題を解決するために、プログラムの変更からテストまでを自動化し、継続的(Continuous)に統合(Integration)させる手法のことをCI(継続的インテグレーション)と呼んでいます。CIを導入することで、エンジニアが加えた変更が自動的にアプリケーションに反映され、変更に合わせた各レベルの自動テストが実行されます。

またCIには、新規のコードと既存のコードの競合が発見された場合やアプリケーション自体に何か問題が発生している場合などに、検出された不具合を開発者に通知する仕組みもあります。この仕組みにより、不具合の迅速な修正が可能になり、結果として高品質なソフトウェア開発へとつながります。

CD(継続的デリバリー)ついて

CD(継続的デリバリー)とは、CIで統合されたソフトウェアを本番に対応できる環境へ届ける(Delivery)手法のことを指します。CDはCIを拡張したものであり、CIで開発の流れを効率化させて、CD(継続的デリバリー)でリリースの準備をするイメージです。

CD(継続的デリバリー)では、アプリケーションへの変更の反映からリリース直前のステージング環境に至るまで、あらゆる段階でのテストの自動化とコードリリースの自動化が行われます。具体的には、負荷テストやセキュリティテストなどの高度なテストを行うほか、製品のリリース補佐や修正内容の管理・監視なども実施します。

これにより、ソフトウェアをいつでも本番環境へリリースできる状態に保つことが可能になり、新しい変更のデプロイにかかる労力を最小限に抑えられます。ただし、CD(継続的デリバリー)では、本番環境へのリリースまでは自動化されず、最終的なリリース判断は手動で行う必要があります。

CD(継続的デプロイメント)ついて

CD(継続的デリバリー)がリリース直前までを自動化するのに対し、CD(継続的デプロイメント)は本番環境へのリリースに至るまでを自動化します。つまり、本番環境へのリリースを手動か自動のどちらで行うかが、継続的デリバリーと継続的デプロイメントの唯一の違いといえます。

実際にCD(継続的デプロイメント)によって運用チームの手動プロセスの負担を軽減し、すべての自動テストに合格すれば、エンジニアがプログラムに変更を加えてから数分でユーザーに届けることが可能です。

ただし、CD(継続的デプロイメント)の場合、人の目によるチェックが入ることなくユーザーに直接プログラムの変更が届くため、自動化するテストを入念に作成しなければならないことには注意が必要です。また、リリース段階に対応する自動テストの準備も行わなければならないため、CD(継続的デプロイメント)には多額の先行投資が必要になる可能性があります。

CI/CDのメリット

CI/CDを導入することの大きなメリットとして、「リリース頻度の加速」「生産性とプロダクト品質の向上」「人為的ミスの防止」が挙げられます。

CI/CDによってデプロイまでを自動化することは、ソフトウェアのリリース頻度の向上に大きく影響します。現在のビジネス市場は変化が激しく、顧客のニーズに合わせて修正したソフトウェアを高頻度でリリースすることが、プロダクトの社会的信用を上げるためには重要です。またリリース頻度を高めることで、継続的にユーザーからフィードバックを受け取れる状態になり、ユーザーの意見をスムーズにソフトウェアへ反映できます。

加えて、CI/CDの導入により手動での作業が自動化され、生産性が向上することも大きなメリットの一つです。自動化により作業者の負担を軽減することで、人にしかできないような業務に注力することも可能になり、開発段階における生産性が向上します。その結果として、プロダクト品質の向上にも期待でき、より顧客満足度の高いソフトウェアを開発できるようになります。

さらにCI/CDを活用し、煩雑な手順を自動化することで、人為的なミスを防ぐことが可能です。どんなに小さな修正であったとしても、プログラムへ変更を加えた後には必ずテストの実施が必要になります。CI/CDは、このようなテストを毎回実行する手間を省きながらも、手動テストで発生しがちなミスを防止する役割もあります。

CI/CDの導入方法

CI/CDを自社で導入する際には、すでに提供されているツールを使用するのが一般的です。ツールの種類には「オンプレミス型」と「クラウド型」があり、それぞれのメリット・デメリットを考慮した上で導入を決めていく必要があります。ここでは代表的なCI/CDツールを3つご紹介します。

Jenkins(オンプレミス型)

CI/CDツールの中でも代表的なものがJenkinsです。コミュニティーも活発で、1,500以上の豊富なプラグイン機能がそろっていることから、カスタマイズ性に優れているのが大きな特長です。

CircleCI(オンプレミス型、クラウド型)

CircleCIは、Webアプリケーションを開発する多くの企業が利用しているツールであり、無料で利用し始めることができます。オンプレミスとクラウドの両方に対応していることから採用企業も多く、強固なセキュリティ体制も整っています。

Travis CI(クラウド型)

Travis CIは、ソースコード管理サービスの「GitHub」と連携して利用するCIツールです。外部ツールとの連携性が高いことが特長で、SonarCloudやSlackなどと連携することもできます。チュートリアルも豊富で、初めてCI/CDツールを使う人にとって優しいツールといえます。

ほかにも「GitHub Actions」「AWS CodePipeline」「GitLab CI/CD」などのツールもあります。各ツールの特性を考慮した上で、自社に合ったものを選定することをお勧めします。

まと

現代のビジネス環境は激しく流動しており、ソフトウェアに対するニーズや開発規模は年々増大しています。そのような状況で、これまでと同様に手動でレビューやテストなどを行うことは難しく、積極的に自動化していくことが必要です。今回ご紹介したCI/CDは、ソフトウェア開発の効率化に大きく寄与しています。

Sky株式会社は、ソフトウェア開発の効率化を図るためのCI/CDの環境構築についても豊富な経験を持っています。ソフトウェアの開発環境にお困りの場合は、ぜひSky株式会社までご相談ください。