Databricksでは階層を設けたデータモデルを構築することが推奨されています。
このデータモデルは「メダリオンアーキテクチャ」と呼ばれ、3階層から構成されています。
正しくデータモデルの概念を理解し、取り入れることで、ガバナンスの効いたデータ基盤を構築することができます。
メダリオンアーキテクチャの概要と目的
メダリオンアーキテクチャは、データレイクハウスにおけるデータ管理のための設計パターンです。
このアーキテクチャは、データの品質と構造を段階的に向上させることを目的としています。
データはBronze、Silver、Goldの3つのレイヤーを通じて処理され、それぞれのレイヤーでデータの品質が向上します。
このアプローチにより、データの信頼性と一貫性が確保され、ビジネスインテリジェンスや機械学習のアプリケーションに適したデータが提供されます。
各レイヤーの役割とデータの流れ
Bronzeレイヤー
Bronzeレイヤーは、生データを格納するステージングレイヤーです。
ここでは、データはそのままの形式で保存され、データの元の状態を保持します。
データの取り込みは迅速で、データの損失を防ぐためのバックアップとしても機能します。
Silverレイヤー
Silverレイヤーは、検証済みデータを格納するODSレイヤーです。
ここでは、データのクレンジング、フィルタリング、変換が行われ、データの品質が向上します。
データの一貫性と信頼性が確保され、分析やレポート作成に適したデータが提供されます。
Goldレイヤー
Goldレイヤーは、ビジネスに最適化されたデータを格納するレイヤーです。
ここでは、データの集計やビジネスロジックの適用が行われ、最終的な分析や機械学習モデルのトレーニングに使用されるデータが提供されます。
Goldレイヤーのデータは、ビジネスインテリジェンスツールやダッシュボードで直接利用されます。
データの品質管理とパフォーマンス最適化のベストプラクティス
構築したデータモデルを適切に管理運用していくには、データ品質に気を配る必要があります。
また、肥大化に備えたパフォーマンス改善にも取り組んでいくようにしましょう。
弊社で考えるベストプラクティスは以下のようなものになります。
- データの検証とクレンジング: データの取り込み時に、データの検証とクレンジングを行い、データの一貫性と信頼性を確保します。
- インデックスの作成: データベースのインデックスを適切に作成し、クエリのパフォーマンスを向上させます。
- パーティショニング: 大規模なデータセットを効率的に処理するために、データをパーティショニングします。
- キャッシング: 頻繁にアクセスされるデータをキャッシュし、クエリの応答時間を短縮します。
メダリオンアーキテクチャは、多くの企業で成功を収めています。
例えば、ある企業では、メダリオンアーキテクチャを採用することで、データの品質と信頼性が向上し、ビジネスインテリジェンスの精度が大幅に向上しています。
データモデルを正しく理解し、導入していくように意識していきましょう。