昨今、複数のプラットフォームにおける開発が増えています。そんな中、注目されるクロスプラットフォーム開発ですが、今回は、Qtというクロスプラットフォームのアプリケーション開発フレームワークをご紹介します。
概要
C++をベースにしており、デスクトップ、モバイル、組み込みシステムなど、さまざまなプラットフォームで動作するアプリケーションを開発することができます。また、各種機能やGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を簡単に作成するための豊富なライブラリを提供しています。
特徴(メリット・デメリット)
- メリット
項目 | 説明 |
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クロスプラットフォーム開発 | 一度書いたコードを再利用してWindows、macOS、Linux、Androidなど、ビルドしなおすだけで複数のプラットフォームに対応したアプリケーションを作成できます。そのため、流用や複数のプラットフォーム並行開発における開発効率の向上が見込めます。 |
GUIアプリケーションの開発 | 直感的なGUIデザインツールを使用して、ユーザーフレンドリーなインターフェースを作成できます。 |
様々なライブラリの提供 | 画面動作・マルチメディア機能・ネットワーク通信・データベース操作などをQtが用意したライブラリを使うことで容易に実装でき、プラットフォームの変化時の変更も小規模に抑えることができます。 |
- デメリット
項目 | 説明 |
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対応言語 | 基本的にはC++で実装することになるので、C++の知識が必要となります。 ※QtのHPによるとPythonも利用できるようです。 |
Qt独自仕様 | Qt独自のシグナルとスロットの概念や制限が存在するため、それらを理解する必要があります。Qtのバージョンによって制限が変化することもあり、注意が必要です。 |
主な関連ツール
ツール | 説明 |
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Qt Creator | Qtの公式IDE(統合開発環境)で、コードエディタ、デバッガ、GUIデザイナーなどの機能を備えています。 |
Qt Design Studio | GUIデザインに特化したツールで、デザイナーと開発者がコードを共有して、効率的にUIを作成できます。 |
Qt Test | ユニットテストやGUIテストを行うためのフレームワークです。 |
最後に
クロスプラットフォームの並行開発が容易にできるのは非常に魅力的ですが、普通にアプリを開発する上でも非常によくできたフレームワークです。
機能は限定されますが、オープンソースライセンス版もあるようなので、興味がある方は一度触ってみてはいかがでしょうか。