Excelには様々な便利機能があり、以前、「場合分け」を紹介させていただきました。
IF関数は指定した条件が「成り立つとき」と「成り立たないとき」の2択に分けるため利用しました。
ですが、もっとたくさんの場合分けをしたくなるときがありませんか?
今回は、複数の場合分けを行いたと思います!
どんな場面で利用するの?
生徒のテスト結果を管理しています。
点数が70点以上であれば「A判定」、50点以上であれば「B判定」、それ以外であれば「C判定」といった3択の場合分けができるようにしましょう。
※ 点数には0~100の数値のみ入力することを前提とします。
前回はIF関数を使いましたが、今回はIFS関数を使います。
IFS関数の使い方
書式は以下のようになります。
IFS(条件1, 値1, 条件2, 値2, ..., 条件N, 値N)
今回の場合はC2セルに「=IFS(B2>=70,"A判定",B2>=50,"B判定",TRUE,"C判定")」と入力します。
すると、佐藤さんの点数は76点なので「A判定」と表示されます。
ここからが解説です!
IFS関数は「条件」と「値」をセットで複数記載します。
今回の場合は3セット記載している形になります。
記載した条件を左から順番にチェックし、最初に成り立った条件と対になる値を返してくれます。
それでは、上記の場合はどうなっているのでしょうか。分解すると、以下のようになります。
条件1 ⇒ B2セルに入力された値が70以上 ⇒ B2>=70
値1(条件1が成り立つときにすること) ⇒ 70点以上だから「A判定」と表示したい ⇒ "A判定"
条件2 ⇒ B2セルに入力された値が50以上 ⇒ B2>=50
値2(条件2が成り立つときにすること) ⇒ 50点以上だから「B判定」と表示したい ⇒ "B判定"
条件3 ⇒ 条件1,条件2以外の全て ⇒ TRUE
値3(条件3が成り立つときにすること) ⇒ 50点未満だから「C判定」と表示したい ⇒ "C判定"
1つ目のポイント!
この場合分けは「左に書いたものから順番」にチェックし、「最初に成り立ったとき」に判定が終わります。
ですから、条件を書く順番が大切になります!
今回の条件2は「B2セルに入力された値が50以上」とだけ記載していますがこれは条件1である「B2セルに入力された値が70以上」が成り立たないときに判定されます。
つまり、「B2セルに入力された値が70より小さくて、かつ50以上」と同じ意味になります。
そのため、以下のように「条件1」の組み合わせと「条件2」の組み合わせを逆に書いたとします。
=IFS(B2>=50,"B判定",B2>=70,"A判定",TRUE,"C判定")
そうすると、まず最初に「B2セルに入力された値が50以上か」の判定を行うため、同じ76点でも「B判定」に変わってしまいます!
そのため、記載する順番には意味があることを忘れないようにしてください!
2つ目のポイント!
条件3はTRUEと記載しました。これは、「どんなときでも」を表しています。
前提として、この条件3にたどり着くのは、条件1と条件2のどちらも成り立たないときになります。
そのため、「条件1と条件2以外のとき」と考えて良いでしょう。
もちろん、明示的に「B2<50」と記載しても同じ意味になります。
=IFS(B2>=70,"A判定",B2>=50,"B判定",B2<50,"C判定")
まとめ
このように、複数の場合分けを行う際はIFS関数を使うことができます!
今回は3択としましたが、もちろん4択、5択…と増やすこともできます。
ぜひみなさんも使ってみてください!