Excelには様々な便利機能があります。今回は「条件付き書式」のご紹介です。
Excelは計算を行うことが全てではありません。
表形式であることを活かして、「やることリスト」を作成してみました。
シチュエーションは以下になります。
#日程
2024/12/1出発 12/3帰着
#出発地
新大阪
#目的地
東京
#旅行の目的
有名な観光地散策
#人数
4人
#移動方法
新幹線
そしてExcelで作成したやることリストがこちら!
各作業についてE列(状況)に「未着手」「実施中」「完了」を入力していますが一目で「終わったもの」がわかるように、「完了」になった行は背景色を変えるようにしています。
この表を更新する際、わざわざ手作業で背景色を変えるのは面倒だと感じませんか?
このような場面で、条件付き書式が役立ちます!
ここからの作業のゴールは、「E列が”完了”になっている行の背景色(書式)を変更する」です!
まずは簡単な使い方の説明です。お試しということで、E列が「完了」になっているセルだけ色を変えてみます。
手順1. 色を変えたいセル(今回は「状況」の欄)を選択し、「ホーム」>「条件付き書式」>「新しいルール」を選択します。
手順2. ルールの種類は「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選びます。
手順3. 「書式」を押すと「セルの書式設定」が開かれるので、任意の設定を行います。例では「塗りつぶし」を選びます。
手順4. 続いてルールの内容を記載します。ここでは「=E2="完了"」と記載してください。
OKボタンを押すとこのとおり!「完了」となっているセルだけ背景色が変わりました!
ここからは、E列だけでなく、他の行も一緒に色が変わるように設定を変えてみましょう。
手順5. 手順1と同じ範囲を選択し、「条件付き書式」>「ルールの管理」を選びます。
ここで表示されている「適用先」を以下のように変更してみましょう。
- 変更前: =$E$2:$E$11
- 変更後: =$A$2:$E$11
手順6. 「ルールの編集」を選択し、手順4と同じ場所に新しいルールに書き換えます。
- 変更前: =E2="完了"
- 変更後: =$E2="完了"
そして「OK」ボタンを押すとこの通り!
これで、E列の状況が「完了」になると、その行の背景色が自動的に変更されるようになりました!
ここからは、手順6でなぜ$マークを追加したのか?の解説です。
条件付き書式では、手順1や手順6で実施したように、セルの範囲を指定することができます。
それに対し、設定するルールはただ一つだけになります。
このルールは、「指定した範囲の”左上のセル”」の書式を変えるためのルールになります。今回だと「A2セル("1"と書かれているセル)」になります。
そしてポイントとなるのは、ルール適用有無のチェックは、「セル一つずつ行われる」ということです。
つまり、10件のやることを一度にチェックしているのではなく、「A2セルは色を変える?」→「B2セルは色を変える?」といった感じになるので、合計50回のチェックをしているイメージです。
この時に複雑になるのは、「チェックする対象のセル」が変わると、「ルールも変わる」ということです。
元々記載したルール「=E2="完了"」のままだとどうなるのでしょうか。
これは対象としたセルの左上、つまりA2セルに対して「E2セルに"完了"と書かれている」場合に色付けをします。
そして対象セルが右隣、つまりB2セルに変わります。なんとここで、ルールは
「=E2="完了"」から
「=F2="完了"」と、比較対象も右隣に変わってしまうのです!
同様に、A2セルの一つ下、A3セルを対象とする場合のルールは
「=E2="完了"」から
「=E3="完了"」と比較対象も1行下に動きます。
今回の表について、状況は「E列」にあるので、「F列」や「G列」など、他の列は関係ありません。
そんな時に「$E」と記載すると、「列は必ずE列を使ってください」という意味合いになります。
その結果、B2セルやC2セルなど、対象セルが右へ右へと移動しても「E2セルに"完了"と書かれているか」を確認するようになります。
※このように$を付与した書き方を「絶対参照」と呼びます
条件付き書式は便利な反面、思った通りのルールが書けないと感じる方も多いと思います。
まとめるとポイントは2つです。
- 選択したセルの”左上”に対するルールを作成すること
- 対象セルが上下左右に移動するとルールに記載したセルも同じだけ移動する。それが困るなら$を使う
今回の背景色設定など、手作業が増えると失敗するリスクがあります。
便利機能を使ってミスを減らせるようにチャレンジしてみてください!