PHPにはたくさんのフレームワークが存在しています。
どれを選べばよいのか悩んでしまいますよね。
そこで2024年のPHPフレームワークのトレンドをまとめてみました。
Laravel
依然として非常に人気があり、その優れたテンプレートエンジン(Blade) やデータベース操作を簡単にする Eloquent ORM、豊富なエコシステムが特徴です。
特に迅速なアプリケーション開発に向いており、幅広い開発者に支持されていますが学習曲線が急であることが課題です。
Symfony
柔軟性とスケーラビリティが強みで、大規模なエンタープライズ向けアプリケーションでよく使われています。
再利用可能なコンポーネントが多く、安定性も高いですが、習得に時間がかかることが多いです。
Yii 2.0
パフォーマンスに優れ、特にAJAXサポートやキャッシュ機能が充実しているため、高速な開発が求められるプロジェクトで重宝されています。
また、コード生成機能により開発をスムーズに進めることができます。
CakePHP
「設定より規約」を採用しており、設定の手間を最小限に抑え、迅速な開発が可能です。
特にセキュリティ機能が充実しており、シンプルかつ強力な選択肢です。
これらのフレームワークは、セキュリティ、スケーラビリティ、モダンな技術との統合において進化し続けています。
また、2024年にはAIや機械学習の統合が進んでおり、PHP-MLのようなライブラリを使うことでアプリケーションにスマートな機能を追加することが容易になっています。
さらに、ブロックチェーン技術の導入も増えており、特に分散型アプリケーション(DApps)や金融サービス分野での活用が期待されています。
逆に、いくつかのPHPフレームワークや技術が衰退する傾向にあります。
CodeIgniter
そのシンプルさと軽量さから過去に人気がありましたが、機能の限界や更新頻度の遅さからより強力なフレームワークである、Laravelや Symfonyに取って代わられることが増えています。
CodeIgniterは小規模なプロジェクト向けに適している一方で、大規模なアプリケーションの開発には不向きとされ、その使用は徐々に減少しています。
Zend Framework
一時期、エンタープライズ向けの堅牢な選択肢として支持されていましたがZend自体がLaminas プロジェクトに移行したことで、開発者の関心が薄れています。
Zend Framework のサポートは縮小し、最新技術への対応が遅れたことでその利用率は低下傾向にあります。
Phalcon
高速なパフォーマンスを強調していましたが、開発者コミュニティが比較的小さくアップデートやサポートが不十分なため、LaravelやSymfonyのような大規模なフレームワークに比べて採用される機会が減っています。
特に、最新のPHPバージョンや新しい技術スタックとの互換性の面で遅れを取っているため、選ばれることが少なくなっています。
これらのフレームワークは、特に大規模なアプリケーションや新しい技術に対して適応力が低いため、今後も衰退していくと予測されています。
上記に登場していませんが、FuelPHPは一時期、日本でも比較的支持されていたフレームワークで、徐々にその使用は衰退しています。
FuelPHPは2011年に登場し、フルスタックな機能と柔軟なMVCアーキテクチャを特徴としていましたが、近年は以下の理由で人気が低下しています。
- 開発の停滞:
FuelPHPの更新頻度が他のフレームワークに比べて低いため、新機能や最新のPHPバージョンへの対応が遅れています。これにより、開発者が他のより活発なフレームワーク(LaravelやSymfony など)へ移行する傾向が見られます。 - コミュニティの縮小:
FuelPHPの開発者コミュニティは比較的小さく、サポートが限られていることが課題となっています。 大規模なフレームワークには活発なコミュニティがあり、ドキュメントやプラグインサポートリソースが豊富ですが、FuelPHPはその点で見劣りしています。 - 競合フレームワークの台頭:
LaravelやSymfonyのような強力で機能豊富なフレームワークが登場したことでFuelPHPは多くの開発者にとって選ばれる機会が少なくなっています。 特にLaravelは、学習リソースが豊富で多機能であることから、FuelPHPユーザーが流出する原因の一つとなっています。
これらの要因から、FuelPHPは徐々に衰退しつつあり、今後の活用はさらに限定的になると考えられます。
このようにフレームワークのトレンドによって、選定に失敗すると後々、メンテナンスに大きな工数が必要になってしまいます。
技術者としては、技術の更新速度に注意して、選定したフレームワークが今後も十分にサポートされていくか確認することが重要です。
セキュリティの更新やバグ修正などをチェックしたり、コミュニティの活発さなど意識して最適なフレームワークを選定できるようにしていきましょう。