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今、​生成AIは​『幻滅期』に​ある。

今、​生成AIは​『幻滅期』に​ある。

米ガートナー社が毎年発表する『ハイプサイクル』についての説明です。技術の成熟度や市場の期待の変化を視覚的に示し、特に2024年の生成AIが「幻滅期」にあることを解説しています。

生成AIのハイプ・サイクル:2024年

上記グラフは、米ガートナー社が毎年発表している 『ハイプ・サイクル』 と呼ばれるデータです。

先端技術や新たなイノベーションテクノロジーをターゲットに、技術の成熟度や採用の進展に伴って 市場の期待がどのように変化しているかを視覚的に集計 し、現在から中長期への推移を示したもので、上記のグラフは『生成AI』に対する ハイプ・サイクルを示しています。

ちょうど2024年現在の最新のデータでは、上記のグラフの、まさに急激に期待値が急落している 『幻滅期』 に当たるそうです。

ガートナー社によると、成熟していく先端技術の ハイプ・サイクルとは、以下の『5つのフェーズ』を一つひとつリアしていくそうです。

  • 技術のトリガー:起源
    新技術が発表され市場で注目され始める時期。

  • 期待のピーク:待望期
    過剰な期待が集まり、技術の可能性に対する話題が最高潮に達する時期。

  • 幻滅の谷:幻滅期
    過剰な期待が裏切られ、実際の課題が顕在化して市場の期待が冷え込む時期。

  • 啓蒙の坂:啓蒙期
    技術の実際の利点と用途が理解され、期待が現実的になる時期。

  • 生産性の高原:生産性安定期
    技術が成熟し、商業的に普及し、実用段階に入る時期。

一昨年は『生成AI元年』とも呼ばれ、何でも生み出すテクノロジーツールだの、ヒューマノイドだの、プログラミングも要求通りにAIが組むとか、AIに仕事が奪われるかも、とか?市場の期待度が一気に盛り上がりましたが(これがグラフでいう『期待のピーク』)、実際に触れてみると、まだまだ発展途上で成熟過渡期な実態が分かってきて、

要望したアウトプット通りに答えてくれない…
当たり障りのないことしか言わないやん…
フィードバックが明らかに間違えてるんやけど…
なんか思ってたのと違う…
生成AIなんて大したことないやん…

などなど、期待と合わない現実を目の当たりにしたネガティブな人達が肩を落とす、まさに上記グラフでいう 期待値がピークアウトした『幻滅期』に、2024年は入っています。

今、世の中になくてはならなくなっている要素技術たちも同じく、最初は必ずこの幻滅期が登竜門になっていましたが、ここで幻滅した人達が一気にトーンダウンすると同時に、現実的な活用方法や応用法を研究し啓蒙していく一部の組織やリテラシーの高い人達によって推進、訴求され価値が見出されていく 『啓蒙期』 に入り、やがて、なくてはならない要素技術として 『生産性の高原』 となる現在に至る商材へと変わり、生活スタイルの時代を変え、今では広く普及しています。

なので特に、 今この時期は、生成AIに対してネガティブな面にどうしても目がいってしまう時期に来ています。

しかしこれは、元々の期待値が過度な期待を持ち過ぎていただけの話で、最初から生成AIは自発的な思考はできず、プログラマーや事務スタッフの仕事を完璧に代行してくれるSTAR WARSのC-3POのような『ヒューマノイド』ではなく、『四次元ポケット』のようになんでも生み出してくれる『魔法のツール』でもありません。

人の脳をモデルにした思考回路のロジックを大規模学習モデルを活用して高速に処理していく膨大なAIモデルソフトウェアであり、 人間のように『意思を持って考える』といった域にまではまだ達していません。

しかし、生成AIには、これまでのような既存データを解析してパターン認識するAIとは全く違い自ら新しいコンテンツやデータを創造する力があり、 人間の創造活動への力強い支援が可能で、まさに今、その基礎基盤が構成できています。

これから重要な『啓蒙期』において成長過程の状態から活用方法を見出し啓蒙を続けリテラシーを高めていかなければ、『生産性の高原』に辿り着く時代には確実に乗り遅れ、商売としては時代に取り残された『後発組』になってしまい、あらゆる椅子取りゲームに負けてしまう『負け組』になってしまいます。

今はまさに生成AIは『幻滅期』。
この波に流されてネガティブな面ばかり見て批判するのではなく、それは課題として捉えて、あくまで、どう活用していくことが業務改善に繋がるのか、どう応用できれば価値提供していけそうか、どうアプローチをする事でそれをマネタイズしていけるのか、クリエイティブな考え方で見極めながら、リテラシーを向上させていきましょう。

ちなみに、『生成AIは使えない』と感じている場合、そもそもその考え方そのものが生成AIを『魔法のツール』だと勘違いされている事が実際には多く見受けられます。
期待しているサジェスト(生成AIからの提案)に不満を持たれているケースでは、そもそもプロンプト(生成AIに要求するコンソール)が、期待しているサジェストに対して情報不足なだけであるケースが非常に多いです。

背景を知らない人に、不躾な作業指示を丸投げしても、目的がわからず回答を間違えてしまうのは当然の話で、それと全く同じ事です。

もちろん、今時点で全て期待通りにできないことも多いですが、ネガティブに捉えられているのであれば、まずは生成AIがどういうものなのか、相手をしっかりとらえるところからはじめていただき、一緒にAIリテラシーを高めていきながら、商売へ繋げていければと思います。

『啓蒙の坂』 を、共に登っていければと思います。


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