弊社製品である「SKYSEA Client View」の標準機能として「ソフトウェア配布」機能がございます。
本連載はソフトウェア配布機能の歴史を通じて、自社商品開発における機能開発の考え方や技術的な要素に関して深掘りをしていくシリーズとなります。ご一読いただければ幸いです。
ソフトウェア配布機能の概要
本機能はPCに対してソフトウェアを遠隔で一斉に自動でインストールすることを主な目的とした機能となっており、仕組みとしては、弊社保守サイトで配布しているスクリプト、 もしくはお客様自身で用意いただいたインストーラーをSKYSEAに登録していただき、端末機に対して配布・実行を行う機能となります。
最新バージョンでは配布時のネットワーク負荷軽減や分散、実行時の時間帯指定などかなり多要素な機能となっており、SKYSEAの代表的な機能の一つとなっております。
本連載について
こちらの機能の歴史は長くSKYSEAの初期のころから存在しており、長年、機能拡張・改善が行われ続けてきました。
そんなソフトウェア配布の歴史をたどりながら、機能が改善されてきた背景や技術要素も含めて少しずつ紹介していきたいと思います。
今回は第1回ということで最初の目的である「ソフトウェア配布」が生まれた背景などを掲載いたします。
本編
時は遡ること2007年、「SKYSEA Ver 2.0」の目玉機能の一つとして「ソフトウェア配布」機能は誕生しました。
SKYSEA Ver 2.0当時の画面
会社PCを運用・管理するうえで、統一した環境を用意することは重要です。
当時も「SKYSEA Ver 1.0」の「ファイル配布」「マクロ実行」機能を駆使することで管理PCに一斉にソフトウェアを配布・インストールすることが可能でした。
しかし、実現するためには「十分な下準備や複雑な手順」が必要で「高い技術力」を必要としていました。
そんな中、SKYSEAのコンセプトの一つとして「使いやすい」がございましたが「十分な下準備や複雑な手順」が必要で「高い技術力」が必要なままでは製品コンセプトである「使いやすい」とは言い難い状態でした。 そこで、この「使いやすい」を実現するためソフトウェアを配布・インストールすることを目的とした独立した機能として「ソフトウェア配布」機能をSKYSEAに機能追加することになりました。
お客様が誰でも簡単にソフトウェアを配布できるように、配布に対応したソフトウェア専用のスクリプトを弊社サポート部門が準備・公開し、お客様は「公開されたスクリプト」と 対象のソフトウェアの「インストールメディア」を用意するだけで、自動でSKYSEAがインストール作業を行ってくれるといった機能になりました。
当時の資料には「管理者の作業負荷軽減と他社製品との差別化」と記載がありソフトウェア配布機能には追加で以下の機能が搭載されました。
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配布時間を指定する
事前にお昼休みなどの業務をしていない時間を狙って予約することで、管理者がPCに張り付かなくてもソフトウェアの配布が自動で行われるよう考えました。 -
端末機に問い合わせ画面を表示する
端末の使用者の状況によっては、作業中にインストール動作が走ることで業務に支障をきたす場合もございます。 そのような環境でも、インストールの直前に使用者に対してインストールを開始して良いか問い合わせることで、業務に支障が出ないようにしました。
このような背景を経て、「ソフトウェア配布」機能は、記念すべき第一歩を踏み出したのです。
今回の記事は直接的な技術とは少し趣向が違いますが、「お客様の運用・お困りごとを考え、製品コンセプトを考慮し、機能仕様に落とし込み実現する。」
というのも自社商品開発においては「大事な技術の1つ」だと考えております。
現在に至るまでに長い長い道のり(機能追加・改善)について、今後も連載させていただきます。
それではまた。