弊社のクラウド製品では、認証基盤システムと連携して稼働することがあります。
例えば、SKYMENU Mobile(スカイメニューモバイル)であればMicrosoft Entra IDまたはGoogle Workspaceです。
SKYMENU Mobile (スカイメニューモバイル)については下記Webサイトをご覧ください。
それぞれシステムの基本設計や成り立ちが異なる[1]ため、同じ役割を持つ概念でも異なる名称や呼び名が使われています。
少々混乱してしまったことがあり、両者で使われている代表的な用語の違いをまとめました。
ユーザーや認証IDについて
ユーザーという言葉自体はどちらのシステムでも同じ概念を意味しますが、サインイン時に使用する「一意の識別子(ID)」の扱いが違います。
Microsoft Entra IDでは、ログインIDのことを「ユーザープリンシパル名(UPN)」と呼びます。
これはメールアドレスのような形式(username@mycompany.com)ですが、本質は「サインイン用の認証ID」であり、メール送受信用のアドレスは「プライマリSMTPアドレス」と呼ばれ、別々に設定・運用が可能です。
一方、Google Workspaceでは、「メインのメールアドレス(ユーザーアカウント名)」と呼ばれるものが、ログインIDそのものを指します。
認証IDとメール送受信用アドレスが一体化しているのでシンプルに管理が可能です。
グループや組織の管理単位について
ユーザーを束ねて効率的にシステムを運用するための仕組みがグループや組織の管理単位ですが、階層構造や役割の持たせ方に違いがあります。
まず、企業やシステムの最大の管理枠組み(独立した全体空間)を、Microsoft Entra IDでは「テナント」と呼びます。
このテナントの中で、「特定の支店のユーザーのみを管理できる管理者」を作るなど、管理者の権限が及ぶ範囲を区切るための枠組みが「管理単位(Administrative Unit)」です。
一方、Google Workspaceでは全体を「組織」とし、それをツリー状に細分化した「組織部門(OU)」を用います。
OUは管理権限の範囲を区切るだけでなく、「特定の部署だけ外部共有を禁止する」といったポリシー適用のベースとして機能します。
また、これら組織の枠組み内で、日々の業務を効率化するために複数ユーザーをひとまとめにするのが「グループ」です。
Microsoft Entra IDのグループは、アクセス権やライセンス付与に特化した「セキュリティ グループ」や、Teams等での共同作業用である「Microsoft 365 グループ」など、目的に応じて専用の箱を細かく使い分ける設計思想になっています。
対してGoogle Workspaceのグループは、基本的に「Google グループ」という単一の仕組みですべてをまかないます。
作成した1つのグループアドレスが、メーリングリスト、共有ドライブのアクセス権付与、カレンダー共有などの多様な役割を同時に担う、シンプルで柔軟な構造となっています。
用語の比較一覧
| 役割・機能の概念 | Microsoft Entra ID | Google Workspace |
|---|---|---|
| ユーザーの基本ログインID | ユーザープリンシパル名 (UPN) | メインのメールアドレス (ユーザーアカウント名) |
| 企業・組織の最大の管理単位 | テナント | 組織 (Organization) |
| 階層的な管理のための区切り | 管理単位 (Administrative Unit) | 組織部門 (OU: Organizational Unit) |
| ユーザーの集まり・グループ | セキュリティ グループ / Microsoft 365 グループ | Google グループ |
| 最高権限を持つ管理者 | グローバル管理者 | 特権管理者 |
用語の意味を正確に理解していないと、認識の齟齬など業務に与える影響が大きくなることもあります。
プロジェクトを進めるうえで問題に発展することがないよう、正確な理解と認識合わせを意識して取り組んでいきたいと思います。
SKYMENU Mobileから見た場合、どちらも組織のID管理や認証基盤システムなのですが、Microsoft Entra IDは『名簿と鍵(IDと権限)』の管理システムが発展したものであり、Google Workspaceは『コミュニケーション(Gmail等)』のシステムが発展したものです。 ↩︎

