1. はじめに
要件定義の場面では、機能や画面仕様を整理したにもかかわらず
関係者の間で完成イメージに差が生じることがあります。
この背景には 「利用者(アクター)がどのような目的で、どのように業務やシステムを使用するのか」 という視点が不足していたり、 「十分に整理されていなかったりするケース」 が少なくありません。
ユースケース分析は、こうした状況に対して、利用の流れや行動を軸に業務を整理するための考え方です。
本記事では要件定義との関係性を踏まえながらユースケース分析を実務でどのように位置づけるか整理します。
2. ユースケース分析の役割と利点
ユースケース分析は、アクターの目的行動を整理するアプローチです。
要件定義に取り入れることで、次のようなことが整理しやすくなります。
2-1:要件の背景明確化
2-2:担当者間での認識共有
2-3:ユーザビリティ観点の整理
2-4:例外処理や対応の検討および判断
2-5:開発範囲や優先度の整理
3. ユースケース分析における注意点
ユースケース分析を実践する際には、いくつか注意する必要がございます。
3-1:シナリオを詳細化しすぎず、あくまでも「どのような行動が必要か」を整理すること
3-2:すべての要件(非機能要件や制約事項)をユースケースで表そうとしないこと
3-3:アクターや役割を曖昧にせず、誰の行動かを明確にすること
3-4:目的を記述・整理するものであり、実現方法を規定するものではないこと
3-5:目的の抽象度が大きく異なるユースケースを混在させず、一貫性のある抽象度とすること
4. 終わりに
アクターの行動を見直すことで、要件の意図を確認しやすくなります。
ユースケース分析は、要件定義を進めるうえで「 誰が何のためにシステムを利用するのか 」という
根本的な問いに答えるための枠組みです。
ぜひ本手法を活用し、関係者の認識を整理・統一して、後工程での手戻りを抑制することで、システム開発プロジェクトの成功確率向上に繋げていきましょう。

