はじめに
先日スクラムマスターの研修を受け、自分たちのスクラム運用を振り返る機会がありました。
私は実務でスクラムチームを担当しているのですが、特に「デイリースクラム」がただの進捗確認になっていたことを研修を受けて感じました。
またほかの参加者の多くも同様の状況のようでした。
この記事では、その失敗から得た学びをまとめます。
うちのチームのデイリースクラムは「読み上げ中心」だった
当時のデイリースクラムは、私(スクラムマスター)が進行し、メンバーそれぞれがExcelに書いた「昨日やったこと」「今日やること」「困りごと」を順番に読み上げる流れでした。
メンバーは別業務の掛け持ちも多く、毎日全員が揃わない日もあり、雰囲気としてはやや淡々としたものでした。
さらに、スクラム経験の浅いメンバーが多く、プランニングも曖昧になっていました。
スプリントゴールはざっくりと定義されていましたが、「何となく作業が進んでいる」そんな状態でデイリースクラムを回していたのが実情です。
表面の進捗は見えるが、チームの実態が見えていなかった
適宜、動く画面を見る機会を設けたため、進捗が見える形であり、ある程度の成果物はスプリント中に出来上がっていました。
しかし、スクラムの本質である「透明性」は得られていなかったと思います。
- チケットの更新状況が把握できない
- いつ何が終わるのか見通しが立たない
などなど・・・
特に痛かったのは、自身の反省が大いにありますが、「先の見通しが立たない(持てていない)」という点です。
スクラムマスターである私自身も作業を持っていたため、全体の把握が遅れがちになり、結果としてチームへのフォローが行き届かない点がありました。
研修を受けて気づいた根本的な問題
スクラムマスター研修で学んだ内容と照らし合わせると、根本的な問題は下記ではないかと考えられます。
-
デイリースクラムは進捗報告の場ではない。
⇒チームの協働を最適化するための場だった。 -
スプリントプランニングが曖昧なままスプリントに入っていた。
⇒方向性が揃わず、日々のデイリーも「ただの習慣」になる。 -
スクラムマスターの私が“司会”になっていた。
⇒本来は開発者が主体となるべきところを奪ってしまっていた。 -
レトロスペクティブの改善項目が活かされず、忘れ去られていた。
振り返ると、スクラムの「外側」だけをなぞっていて、「内側の価値」を理解しきれていなかったと思います。
small start でも改善する
そこで、プランニングから改善を始めました。
最初はお試しでもいいので、ちゃんと時間を取り、スプリントゴールを明確な言葉にするようにしました。
さらに、
- スプリントゴール
- レトロスペクティブで出た改善項目
これらを Excel にまとめ、デイリーの最初に全員で確認するようにしました。
すると、大きな変化ではないものの、
- スプリントゴールに沿った会話が増える
- 工数の重い作業をしているメンバーに早めに声がけできる
- 他業務の割り込みを減らす調整ができるようになる
- 少しずつ”先の見通し”が立つようになる
といった、小さな改善がみられてきているように感じます。
おわりに:スクラムは「儀式」ではなく「チームのための仕組み」
今回の失敗から、私は次のような教訓を得ました。
- スクラムのイベントは”形”ではなく”意図”を理解して行うこと
- スプリントゴールを言語化し、常にチームの中心に置くこと
- スクラムマスターは”司会”ではなく”場の支援者”であること
- 小さな改善でも、続ければチームの未来は変わる
もし同じ悩みを抱えている方がいれば、「まずスプリントゴールを見える化する」ことから始めるのはいかがでしょうか。

