Microsoft 365 Copilot は、チャットでのリクエストに応じてExcelファイルをINPUT/OUTPUTすることができますが、 OUTPUTできる機能には制約があることが確認されています。
その1つとして、ピボットテーブルを挿入することができない制約があります。(2025/10/1 現在)
制約内容と、対策について紹介します。
できないこと(制約)
Microsoft 365 Copilot は、Excelの機能としてのピボットテーブルそのものを挿入することはできません。(2025/10/1 現在)
対策1 / 集計結果をOUTPUTしてもらう
クロス集計結果を表形式で出力することは可能です。
期待する集計方法をチャットで依頼すると、集計結果の表(シート)を挿入したExcelファイルを生成してくれます。 単に集計結果を知りたい場合はこの使い方でも十分利用できます。
例
INPUT
Book1.xlsx <Sheet1>
| 氏名 | 部署 | 売上 |
|---|---|---|
| 田中太郎 | 1課 | 500,000 |
| 鈴木花子 | 2課 | 300,000 |
| 佐藤次郎 | 1課 | 450,000 |
| 山田恵子 | 3課 | 200,000 |
| 高橋一郎 | 2課 | 350,000 |
Copilotチャットへの依頼
Book1.xlsxのSheet1の表について、部署ごとの売上合計を集計してください。
集計結果はSheet2として本ブックに追加し、Book2.xlsxとして生成してください。
OUTPUT
Book2.xlsx <Sheet2>
| 部署 | 売上合計 |
|---|---|
| 1課 | 950,000 |
| 2課 | 650,000 |
| 3課 | 200,000 |
対策2 / 集計表をOUTPUTしてもらう
INPUTの表を参照する数式を用いた集計表を生成することは可能です。 集計方法は変わらないが、元のデータが変わる可能性がある場合は、この使い方が有効です。
例
INPUT
対策1と同様
Copilotチャットへの依頼
Book1.xlsxのSheet1の表について、部署ごとの売上合計を集計してください。
集計には極力Sheet1を参照する数式を使ってください。
集計結果はSheet2として本ブックに追加し、Book2.xlsxとして生成してください。
OUTPUT
Book2.xlsx <Sheet2>
| 部署 | 売上合計 |
|---|---|
| 1課 | 950,000 |
| 2課 | 650,000 |
| 3課 | 200,000 |
この例では、灰色の網掛け部分はSUMIF関数を使用した数式で生成されます。
対策3 / ピボットテーブルを挿入するVBAマクロ
Microsoft 365 Copilot のOUTPUTとして、ピボットテーブルを挿入したExcelファイルを生成することはできませんが、ピボットテーブルを挿入するVBAマクロコードを生成することは可能です。
生成されたマクロコードを設定して実行する手間がかかりますが、例えば、週次や月次で上がってくる定形フォーマットの数値データに対して、集計するためにピボットテーブルを使うような場合では、VBAマクロを利用するのが有効です。
例
INPUT
対策1と同様
Copilotチャットへの依頼
Book1.xlsxのSheet1の表について、ピボットテーブルで部署ごとの売上合計を集計するVBAマクロを作成してください。
ピボットテーブルの挿入先は、新規シートとしてください。
OUTPUT
生成AIのOUTPUTなので、回答にバラつきはありますが、筆者の環境では、VBAマクロの設定の仕方、マクロの実行の仕方まで丁寧に説明してくれました。
また、ハルシネーションによりエラーが発生するコードが出力されることもありますが、発生したエラーメッセージのスクリーンショットを取ってCopilotに問い合わせることでコード修正するところもCopilotに期待できます。
最後に
Microsoft 365 Copilot はAI技術により様々なシーンでPCでの作業を助けてくれる強力なツールです。 しかし、あくまで手段の1つですので、必ず使わなければならないものではありません。
目的に合わせて適切に利用していきましょう。
Microsoft 365 Copilot が、なにを、どこまでできるのか、が分からない場合には、Copilotチャットで、期待していることが対応可能なのか、制約事項があるのか、聞いてみましょう。 その回答にあわせて、可能な範囲での手助けをCopilotチャットで依頼していくとよいでしょう。

