自動運転の車両には多くのセンサーが活用されており、 それらが車の目や耳となって安全な自動運転が実現されています。
各センサーの種類と使われている用途について紹介します。
カメラ
安心安全のための法規を満たすためにも欠かせないセンサーです。 カメラで撮った画像を認識し判断するための重要な要素となっています。 ステレオカメラとして物体までの距離を判断することも可能です。
一般的には暗所や太陽光、悪天候(豪雨・濃霧・降雪)には弱く、 カメラだけではなく別のセンサーとの組み合わせで機能を実現するケースがあります。
自動運転車両には複数の位置にカメラが取り付けられているケースが多く、 用途についても様々です。
| 種類 | 用途 |
|---|---|
| 前方カメラ | 白線、前方車、信号、標識など 物体や線の認識 |
| 周辺監視カメラ | 自動運転・駐車での周辺監視 |
| 後方カメラ | 死角監視・後方からの車両監視 |
| 車室内カメラ | 運転手の脇見・状態監視 |
Radar
ミリ波(30GHz~300GHz)を使ったレーダーシステムです。 カメラよりは短い距離ではあるが、対象物までの反射による距離の測定などで活用。 前方車両追従での前方車までの距離測定や 駐車時や走行中の物体への接近時の警告・回避などに活用されています。
LiDAR
レーザー光を使ったセンサーです。 3次元空間での物体の点群データを作成しSLAMとして活用したり、 ミリ波を反射しにくい素材(段ボールなど)や小さな物体であっても高精度な物体検知と距離測定 により安全性を担保することが可能です。
また悪天候時でもカメラやミリ波に比べて精度の高い結果を出すことができます。
GPS
携帯電話やナビゲーションシステムでも活用されています。 衛星からの信号を受けて地球上の自車の位置を特定することが可能です。 自動運転で目的地に移動する場合、車両の位置情報が必要となります。
複数の衛星からの信号に対する時間差により位置を特定する都合上、 屋内やトンネル内、またビル群の中では精度が落ちてしまう特徴があります。
IMUセンサー
IMU(慣性計測装置)として車両の3軸方向の加速度と角速度を検出することが可能です。
車の傾きや進行を検知することでデッドレコニング情報として 車両の移動位置を計算することができます。
前述したGPSが届かないような場所であっても、デッドレコニング情報と合わせて活用し、 車両の高精度な位置を算出することが可能となっています。
地図
厳密にはセンサーではありません。 ただ、ナビゲーション地図だけではなく、自動運転で走行するレーンを特定するために さらに高精度なレーン・標識などの情報が入った地図を使い、 センサーが取得した情報の信憑性の判定やカメラやレーダーでは捉えられない 範囲の情報として自動運転での案内に活用されているケースがあります。
最後に
自動運転車には紹介したようなセンサーが目の役割を行い、 脳であるAIを使って複数のセンサーからの認識結果を総合的に判断し 車両の安全な挙動を制御しています。
センサー類が増えればコストも上がってしまうため、 センサーごとの性能や用途も車両メーカー各社の工夫となっているポイントでもあります。 自動運転車両の発展に目が離せないです。

