Azure Active Directory B2C(Azure AD B2C) は多くの企業で利用されている アイデンティティ管理サービス(IdP)ですが、サポート終了が近づいています。 この記事ではサポート終了に向けた情報をご紹介します。
Azure AD B2Cとは
この記事を見つけてくださった方はよくご存知かもしれませんが、そうでない方向けに簡単な説明です。
Azure AD B2CはMicrosoftが提供するクラウドベースのアイデンティティ管理サービスで、 企業が顧客向けにシングルサインオンや多要素認証を実装するためのプラットフォームです。 2015年にリリースされ、2030年5月にサポート終了予定です。
サポート終了に向けて
Azure AD B2Cの新規購入は2025年4月末で終了しており、 B2Cの後継としてMicrosoft Entra External IDが2024年5月に一般提供(GA)されています。
終了に向けて段階的に機能が廃止されていく予定です(※一例)
2026年3月15日に予定されているB2CテナントでのAzure AD External Identities P2の廃止に備え、 2025年5月1日より新規のお客様へのAzure AD External Identities P2の販売を停止します。
カスタムポリシーはどうなる?
B2C利用者にとって最大の関心事はカスタムポリシーの扱いでしょう。 Microsoft Entra External IDでB2Cのカスタムポリシーがどうなるかはまだ明言されていませんが、 FAQには以下のように記載されています。
カスタムポリシーの構築と管理に多大な投資が行われていることは認識しています。 従来のカスタムポリシーの構築と管理が難しすぎるというお客様の声が寄せられています。 新しい外部IDプラットフォームでは、カスタムポリシーが不要になるようにエクスペリエンスを簡素化しています。 B2Cの既存のカスタムポリシーのための移行パスが用意でき次第、ご提供いたします。
XMLベースの記述でデバッグのためのログが不十分、かつ技術情報が少ないカスタムポリシーは学習コストが高く、多大なコストがかかる傾向があります。 そのため、簡単に資産を放棄するのは難しく、何かしらのガイダンスは提供されるのではと思われます。
最後に
サポート終了の2030年は一見遠いようですが、利用しているシステムへの影響は大きいので、 後継や代替の調査をそろそろ始めておかないと期間的にギリギリになってしまうかもしれません。
カスタムポリシーなどの移行パスが提供されたら、また記事にしたいと思いますので、定期的にチェックしてくださいね。

