最近、お客様との会話の中でも「アジャイル開発」というワードが頻繁に出るようになってきました。 そのため、本記事ではアジャイル開発のフレームワークの1つである「スクラム」について、 全く知らない人向けの導入として簡単に記載します。
はじめに
アジャイル開発とはソフトウェア開発において、柔軟性と価値提供のスピードを重視した方法論になります。 2001年にはアジャイルマニフェストというものが発表されており、そこでは4つの価値と12の原則が明文化されています。
- 4つの価値
個人との対話・動くソフトウェア・顧客との協調・変化への対応 - 12の原則
変化への適用を可能とするため、チームと顧客からのフィードバックに関する内容
アジャイル開発を実行するフレームワークとして 「スクラム・カンバン・エクストリームプログラミング」などのフレームワークがありますが、 本記事ではその中の1つスクラムについて記載していきます。
スクラムとは
スクラムはアジャイル開発のフレームワークの1つで、 顧客の流動的な要望、環境の急速な変化に対応し、迅速に価値を提供するために 生まれたプロジェクトの管理手法です。 スクラムを導入することでチームの効率性と生産性を向上させることができます。
スクラムはスクラムチームと呼ばれる最小単位のチームで 一つの目的(プロダクトゴール)にむかって推進することになりますが、 チームの中にはプロジェクトマネージャーはおらず、3つの役割・責任を定義し それぞれの役割に沿って行われます。
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プロダクトオーナー
プロダクトの価値を最大にすることに責任を持ち、プロダクトのゴールの策定・バックログアイテムの作成・バックログアイテムの透明性の維持などの役割を担う -
スクラムマスター
スクラムを確立させることに責任を持ち、チームメンバーのコーチ・チーム内の障害を排除する・スクラムイベントを問題なく開催するなどの役割を担う -
開発者
プロダクトオーナーが定めたプロダクトゴールをどのように実現するかに責任を持ち、スプリントの計画・定義を満たす品質の作りこみ・ゴールに向けた計画に適応するなどの役割を担う
これら3つの役割に分かれてチームでプロダクトゴールに向け動いていくのだが、 スクラムの中では大きく5つのイベントが定められ、これらイベントを確実に実行 していく事で、チームの活動を最適化していきます。
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スプリント
チームで一定の期間を定めその中で開発を進める。 スプリントを何度も回しながら徐々にプロダクトゴールに向かっていく。 -
スプリントプランニング
スプリントの起点となり、スプリントで実行する作業の計画を立てる。 -
デイリースクラム
スプリントプランニングで立てた計画に対して、進捗を確認し、必要に応じて作業の調整を行う。 -
スプリントレビュー
スプリントでの作成物に対して、顧客からフィードバックを得て、適切な調整を行う。 -
スプリントレトロスペクティブ
チームのプロセスを確認し、非効率や無駄な労力を要するものを見直し、次のスプリントに取りこんでいく。
最後に
アジャイル開発のフレームワークの1つであるスクラムについて、
簡単ではありますが、紹介させていただきました。
スクラムはすべてのプロジェクトに対して最適な手法であるわけではありませんが、
変化の激しい環境や複雑なプロジェクトにおいて、柔軟に・円滑に価値を提供する
ためには効果がある手法です。
今ウォーターフォールでやっているプロジェクトがうまくいっていない場合は、
一度スクラムを取り込んでみることでプロジェクトの成功につながるかもしれません。
本記事が少しでも皆様の開発の一助になれば幸いです。

