前回、前々回とSKYDIV Desktop Clientの「システム稼働ログ」について概要、ログ出力の仕組みをご紹介しました。
サーバーの稼働状況を可視化し、サーバーで障害が発生した時の原因調査にご活用いただける「システム稼働ログ」ですが、 日々サーバーが様々な処理を行うことでログが蓄積されていきます。
そこで今回は、蓄積された「システム稼働ログ」を閲覧する際に行っている検索処理について、 工夫している点をご紹介いたします。
システム稼働ログの検索処理の概要
SKYDIV Desktop Clientの管理コンソールで検索条件を指定して「システム稼働ログ」を閲覧する際、 各サーバーの「システム稼働ログ出力モジュール」で検索条件に合致するログを検索して、 見つかったログを表示する仕組みとなっております。
検索条件に合致するシステム稼働ログが大量にあった場合の懸念事項
さて、ここで1つ、システムとして考慮が必要な懸念事項が出てきます。
単純に検索条件に合致する「システム稼働ログ」を管理コンソールに返却しているだけの場合、 検索条件にヒットする「システム稼働ログ」が大量にあると、どのような事態が起こりうるでしょうか。
SKYDIV Desktop Clientの管理コンソールと、「システム稼働ログ」が記録されたサーバーは通信を行っています。 その為、もし大量の「システム稼働ログ」が検索にヒットすると、それだけ大量のデータの受け渡しが行われますので、 ネットワーク上の通信負荷が上昇してしまいます。
こうなると、他のSKYDIV Desktop Clientを利用されている方々へも影響を及ぼしかねません。
SKYDIV Desktop Clientが工夫している対策
SKYDIV Desktop Clientでは上記の懸念事項のようなことが起こらないように、「システム稼働ログ」の検索処理でも工夫を凝らしております。
サーバーが検索条件に合致する「システム稼働ログ」を管理コンソールへ返却する際、実は以下2つのデータを返却しています。
- 「システム稼働ログ」自体は一定の件数までのデータ
- 検索条件に合致する「システム稼働ログ」の”続き”を示すデータ
管理コンソール側は検索条件に合致する「システム稼働ログ」を受け取った際、”続き”を示すデータを併せて受け取ったら、 続きの「システム稼働ログ」の取得を再度サーバーに要求します。
この処理を繰り返し行い、検索条件に合致する「システム稼働ログ」を最後まで受け取ったらサーバーへの取得要求を終了します。 このようにすることで、一度の通信で大量のデータがネットワーク上に流れることを防いでいるのです。
なお、複数のサーバーから「システム稼働ログ」を取得するように検索条件を指定している場合は、 各サーバーに対して「並列」ではなく「順次」ログの取得を要求することで、帯域が増えないようにしています。
まとめ
これまでSKYDIV Desktop Clientの「システム稼働ログ」について、機能の概要、出力の仕組み、検索の仕組みを 3回に分けてそれぞれご紹介いたしました。
SKYDIV Desktop Clientでは「システム稼働ログ」の出力、検索それぞれの機構において、 確実にサーバーの稼働状況を把握できる、且つ利用者の運用に影響を及ぼさず快適にご利用できるよう様々な工夫を凝らしております。
ぜひ、SKYDIV Desktop Clientで快適なシンクライアントシステムをご利用いただければと思います。