はじめに
ソフトウェアテストの品質や効率を高めるためには 適切なテスト技法を選び、活用することが求められます。
テスト技法の特徴や使用方法を理解すること、 必要なテストの内容に適しているか、製品の特性、プロジェクトの予算など さまざまな観点から選ぶことが必要となります。
ここではテスト技法の選び方の一例をご紹介します。
ブラックボックステストの技法
まずは、ブラックボックステストにおける代表的な技法を5つ記載します。
同値分割法:
入力データを同じ結果をもたらすと考えられるグループに分割し、
各グループから代表的な値を選んでテストを行います。
境界値分析:
入力データの境界値(最大値、最小値、境界付近の値)を重点的にテストします。
境界付近でバグが発生しやすいため、効果的なテストが可能です。
デシジョンテーブルテスト:
複数の条件とその組み合わせに基づいて期待される出力をテーブル形式で整理し、
テストケースを作成します。
状態遷移テスト:
システムの状態と遷移をモデル化し、各状態間の遷移が正しく行われるかをテストします。
組み合わせテスト:
複数の入力パラメータの組み合わせを網羅的にテストする手法です。
直交表などを用いて効率的に組み合わせを選定し、テストケースを作成します。
テスト技法の選び方
テスト技法を選ぶには、まず以下のポイントを考慮する必要があります。
- テストの目的
- テスト対象の特性
- 想定されるバグの種類
- テストスケジュールと予算
- 入手できるインプット情報(仕様ドキュメント・要件定義書)
次に整理した情報から、複数のテスト技法を組み合わせていく必要がありますが、 インプット情報である仕様ドキュメントの記載内容からテスト技法を選択する方法を紹介します。
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仕様ドキュメント記載例①
連続した数値でない入力の値 「半角英数字の入力が可能」
→同値分割法 -
仕様ドキュメント記載例②
「○○以上の場合、△△とする」、「10以上、20未満の場合」
→同値分割法、境界値分析 -
仕様ドキュメント記載例③
複数の条件の下、期待される出力が変わる場合、
「条件①、条件②がYes、条件③がNoなら、○○と出力する」
→デシジョンテーブル -
仕様ドキュメント記載例④
画面や状態が複数存在し、遷移させる条件も複数ある
→状態遷移テスト -
仕様ドキュメント記載例⑤
入力条件が複数ある、複数の入力パラメータがある
→同値分割、境界値分析、組み合わせテスト
さいごに
ソフトウェアテストの技法は多岐にわたるため、それぞれの特性を理解し、 適切に組み合わせることで、テストの品質と効率を向上させ、バグの早期発見と修正に繋がります。 適切なテスト技法の選択と実践を通じて、ソフトウェア品質に貢献していきましょう。