みなさまにも身近なBluetoothの2025年の最新動向について Bluetooth SIGが発表しましたので、内容をまとめてみました。
Bluetooth SIG(Special Interest Group)とは、Bluetoothの仕様策定・仕様書作成、 相互運用性の推進、認知拡大、ブランド成長などを推進する非営利団体です。 加入企業は2022年時点で38,000社を超えています。
Bluetoothデバイスの出荷台数予測
Bluetooth SIGによると、Bluetoothのデバイスは着実に増え続けており、 2025年に 53億台を超え、2029年までに 80億台に近づくと予測されています。
この中でBluetoothのコントローラーごとの予測も発表されていました。 Bluetooth LEの割合が少しずつ伸びてきておりますが、Dual-Modeもまだまだ使われています。
Dual-Modeとは、Bluetooth ClassicとBluetooth LEが両方使えるタイプで、 スマートフォンやタブレット、PCなどのプラットフォームデバイスで多く 活用されているもので、最も多い結果となっています。
Bluetooth LEが伸びている要因としては、 低消費電力で動くことや柔軟にプロトコルを活用できる特徴を活かし、 スマートラベルや電子棚札といった小さいデバイスに採用されているためであり、 今後もデバイス数はどんどん増えていくと予測されています。
テクノロジーロードマップ
Bluetoothの新たな機能は、Bluetooth SIGによって仕様策定および標準化されています。
Bluetoothチャンネルサウンディング
Bluetooth接続デバイスの利便性、安全性、セキュリティを向上させる、 安全で高精度な測距機能です。これにより、車両、住宅、商業オフィスなどのセキュリティを 強化しながら、入退室を簡素化しています。主に車載でのデジタルキーや、 住宅やビルなどのスマートロックで使用されている規格です。
超低遅延HID
HIDとは、ヒューマン・インターフェース・デバイスの略で、キーボードやマウス、 コントローラーなどの人間と機器との情報のやり取りを行うデバイス用の通信規格です。 もともとBluetooth Classicの規格の一つで、遅延を最小限に抑えて有線のUSBや独自無線の コントローラーと同等レベルまで引き上げることを目指しています。
高スループット
2016年にLE 2M PHYという規格が発表され、従来の2倍のスループット(2Mbps)を 実現しましたが、さらなる市場ニーズの拡大に伴い、8Mbpsに迫るデータレートの サポートを目指しているとのことです。
高周波帯域
5GHz~6GHz帯はライセンス不要のミッドバンド帯域となり、この帯域による動作を
定義する仕様策定プロジェクトが進行中です。
スループットや低遅延、測位精度などの向上に対応するために必要となります。
Bluetooth LE Audioの強化
これまで音楽デバイスで使われていた規格は、Bluetooth ClassicのAudioの規格でしたが、
Bluetooth LE Audioは低消費電力であり、同時接続をサポート可能など、元々の課題を
解決した新たなオーディオ分野の規格です。
また、Auracastと呼ばれるブロードキャストの機能も搭載され、低データレートでも
高品質を実現する新たなコーデックであるLC3コーデックも搭載されます。
上記のように、無線通信のベースとなる規格から、音楽や距離測定などの
小さなIoTデバイスへの搭載を目指した機能の強化など、将来を見越した
プロジェクトが動いているようです。
今後もBluetooth搭載デバイスは増加する見込みであり、注目の技術であると思います。