テスト計画書は、テスト活動におけるガイドラインとなる文書です。
一般的に以下の項目が含まれます。
テストの目的 | テストの活動を通して果たす目的 |
テストの背景 | テストを実施する理由やその経緯 |
テスト対象 | テストの対象とするシステムや機能 |
テスト範囲 | 対象のどこまでテストするか |
テスト環境 | テストを実行するためのシステム構成や外部ツール |
テスト開始/終了条件 | テスト工程を開始または終了する際の基準 |
など‥
これらを定義することで、テストの成果物の品質を高めることができます。
特に「テスト対象」と「テスト範囲」については、テストの成功に直結する
重要な要素であり、検討する際には特別な注意が必要です。
「テスト対象」の決め方とポイント
テスト対象では、検証するシステムや機能を決定します。
例えば、サーバーとクライアントが連携して機能を実現する場合、
サーバー側の動作をテスト対象として含めるのか、もしくは、
クライアント側の動作のみを対象とするのか、明確にする必要があります。
製品開発には複数の部門やソフトベンダーが関わっているため、テスト工程の 全体像を把握した上で、それぞれがどの範囲までテストを実施するのかを確認し、 自部門でカバーすべき範囲を判断しましょう。必要に応じて関係各所と合意を取り、 認識のズレを防ぐことで、適切にテスト対象を決めることができます。
「テスト範囲」の決め方とポイント
テスト範囲では、どこまでテストを実施するかを決定します。
範囲が広すぎるとコスト増大し、狭すぎると重要な欠陥を見逃してしまうリスクがあり、
適切に定めることが求められます。
テストの範囲を決める際には、ISO/IEC 25010の品質特性を用いて、システムや製品が持つ品質の要素を分析することで、テストすべき観点が明確になります。 また、ユーザーが期待することや、プロジェクトに関わるステークホルダーの要求なども取り入れることで、どの要素を重点的にテスト実施すべきかを整理することができます。
最後に
テスト対象とテスト範囲を適切に決めることは、品質保証の精度を高め、効率的なテストを実施するために、非常に重要な活動になります。 また、関係者がテストの理解を深め、品質を目に見える形で表現し、 共通認識を持つことができる大切なドキュメントになります。
ぜひ、作業の工程に取り入れ、作り込んでいただければと思います。