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公開日2025.05.27

フロントエンドエンジニアとは何? 仕事内容やWebデザイナーとの違い、平均年収を徹底解説

著者:Sky株式会社

フロントエンドエンジニアとは何? 仕事内容やWebデザイナーとの違い、平均年収を徹底解説

フロントエンドエンジニアは、Webサイトやアプリケーションのユーザーインタフェースを構築する専門職であり、ユーザーが直接目にする部分を設計・開発することで、ユーザー体験を向上させる職種です。この記事では、フロントエンドエンジニアの具体的な仕事内容や必要なスキル、Webデザイナーとの違い、さらには将来性や転職を目指す際の勉強方法について詳しく解説します。

フロントエンドエンジニアとは?

フロントエンドエンジニアは、Webサイトやアプリケーションに表示される画面などの要素に関する技術領域を担当する職種です。Webサイトのトップページや、ECサイトの商品ページなど、ユーザーの目に直接触れる部分が「フロントエンド」であり、それらに携わることから「フロントエンドエンジニア」と呼ばれます。

フロントエンドエンジニアの主な仕事内容

フロントエンドエンジニアの主な仕事とは、Webサイトやアプリケーションなどでユーザーが見て、触れて、操作する部分を構築することです。私たちがインターネットを利用する際に操作するホーム画面やログイン画面、入力画面といったフロントエンドの全般的な開発に携わります。具体的な業務内容としては、コーディングやプログラミング、デバッグ作業などがあります。また、デザインやSEO対策といった関連する領域を対応することもあります。

コーディングでは、Webデザイナーが作成した画面デザインを基に、Web上の文字や写真、イラストなどを表示するようにHTMLやCSSで指定していくマークアップを行います。Webサイト上の実際の動作処理をJavaScriptやフレームワークで実装(プログラミング)していく作業も担います。また、実装されたWebサイトやアプリケーションを実際にWebブラウザ上で表示し、動作確認を行ったり、バグを見つけて修正するデバッグも重要な仕事です。

案件によっては、デザインや制作全体のディレクションなどの業務を担うケースもあります。Webデザイナーと協力してユーザーの使いやすさを考慮した画面設計やデザインを検討したり、Web検索において検索結果を上位に表示されるための施策(SEO対策)を行う場合もあり、その業務は多岐にわたります。

フロントエンドエンジニアとWebデザイナーの違い

Webデザイナーはフロントエンドエンジニアと同じく、Webサイトやアプリケーションの画面制作を担う職種です。Webデザイナーは特にその「見た目」を設計する役割を担っており、Webページなどのレイアウトや背景、文字や色使い、ボタンの体裁といったビジュアル面を対応します。対してフロントエンドエンジニアは、Webデザイナーが作成したデザインを基に、実際の画面の実装や動的な要素の処理、バックエンドとの接続に関する設計や開発を行います。 この2つの職種は、互いにデザインデータを共有して技術面で具現化していけるかを検討するため、業務上の関わりが非常に深いのが特徴です。

フロントエンドエンジニアの平均年収

フロントエンドエンジニアの平均年収はどれくらいなのでしょうか。厚生労働省の「職業情報提供サイト(日本語版O-NET)」<愛称:jobtag>には、フロントエンドエンジニアに関する記載がありませんが、「システムエンジニア(Webサービス開発)」が参考になるかもしれません。「jobtag」によると、「システムエンジニア(Webサービス開発)」の平均年収は、557.6万円となっています。年収のピークは55歳~59歳の732.17万円です。

フロントエンドエンジニアは、持っている資格や対応できる業務の幅によって年収が変化する傾向にあるため、スキルを磨くことで相場よりも年収をアップさせることができるかもしれません。

フロントエンドエンジニアに必要なスキル・知識

フロントエンドエンジニアは、Webサイトやアプリケーションのフロントエンドだけでなくバックエンドの領域にも関わるため、業務の中で求められるスキルや知識も多岐にわたります。ここでは、6つの項目に分けてご紹介します。

HTML、CSSなどのコーディングスキル

フロントエンドエンジニアの必須スキルとしては、Webサイトを構築する上でブラウザへの表示を指定するHTMLや、テキストの大きさ・色・位置などのスタイルを設定するCSSなどのコーディングがあります。これらはプログラミングの初心者でも学びやすく、習得が難しいスキルではありません。しかし、フロントエンドエンジニア自身がHTMLやCSSをWebサイトの構築に使うケース以外でも、プロジェクトにおけるHTML・CSSのガイドライン策定などを行わなければならない場合もあるため、さらに高度な知識が求められるケースもある点は注意が必要です。

JavaScriptやフレームワークなどのプログラミングスキル

フロントエンドエンジニアは、JavaScriptを活用できることも求められます。JavaScriptは、Webサイトやアプリケーションのフロント周りで動的な表現を行う際に活用されるプログラム言語であり、フロントエンジニアは習得必須の言語です。最近の開発では、JavaScriptで頻繁に使われるコードを集約したライブラリや、開発のテンプレートとして使われるフレームワークなども駆使されており、これらを効率的に活用できるスキルも必要です。具体的には、ライブラリとしてjQueryやReact、フレームワークではAngularJSやVue.jsなどが主に使われており、プロジェクトによって利用される種類は異なります。

CMSでWebサイトを構築するスキル

構築したWebサイトを編集・更新する際には、HTMLやCSSではなくCMSが使われるため、フロントエンドエンジニアとしてCMSに関するスキルも欠かせないでしょう。テキストや画像、デザインなどを更新・変更したり、新規ページを素早く作成できるのがCMSであり、WordPress、Movable Typeなど多くの種類が存在します。導入時には、フロントエンドエンジニアがWebサイトへの組み込み作業を行わなければならないため、CMSの導入や運用に関するスキルは必須といえます。

バックエンドおよびデザインに関するスキル

フロントエンドエンジニアは、ほかの職種や技術領域と関わりながら業務を進めることが多いのも特徴です。そのため、他領域の知識やスキルも学んでおくと業務をスムーズに進められるでしょう。そのひとつがバックエンドに関する知識です。データベースの構成や、サーバー側での処理についてバックエンドエンジニアと相談する際に、バックエンドの知識がないとスムーズにやりとりができなくなってしまいます。

同様に、デザインに関する知識も身につけておくことをお勧めします。フロントエンドエンジニアは、Webデザイナーとやりとりをすることが多く、場合によっては自分自身でデザインの修正などを行うこともあるためです。いずれにしても、必要なのは基本的な知識であり、専門的なところまでは求められません。バックエンドエンジニアやWebデザイナーとのコミュニケーションをスムーズに行えるぐらいの知識を身につけておくことが大切です。

UI・UXに関するスキル

操作性やユーザーの使いやすさに直結するUI・UXについて理解しておくことも、フロントエンドエンジニアにとって重要です。Webサイトの色使いやレイアウト、画像・ボタン配置や文字の読みやすさ、商品を購入するまでの導線などについて見識を深めておくと、ユーザーに配慮した設計や開発を行う上で役立ちます。WebデザイナーやUI・UXデザイナーとデザインについて相談したり、エンジニアとして提案を行う場合にも、これら知識は大きな力になってくれるでしょう。

チームを管理するマネジメントスキル

これまでにもご紹介してきたように、フロントエンドエンジニアはほかの職種を含めた開発チームでプロジェクトを進めることが多いため、チームワークは非常に重要です。場合によっては、リーダーやマネージャーの役割を担い、さまざまな調整を行うケースもあります。チームメンバーをフォローしたり、管理したりできるマネジメント力も、プロジェクトを成功させる上で大切な要素になるため、技術面と同様に磨いておくことをお勧めします。

フロントエンドエンジニアにお勧めの資格

フロントエンドエンジニアになるために必須となる資格はありません。しかし、資格を取得することでスキルの証明になるとともに、取得に向けた勉強を通じて身につけた知識は業務に役立つでしょう。

フロントエンドエンジニアとしては、まずは「基本情報技術者試験」を取得することをお勧めします。この資格は、ITエンジニアに必要なシステム、ソフトウェア関連の基礎知識を広く網羅した国家資格です。Web解析データの分析に必要なスキルを身につけ、デジタルマーケティングを実行できる人材を目指す資格である「ウェブ解析士」や、フロントエンドエンジニアに不可欠なマークアップ(HTML、CSS、JavaScript)の知識・スキルを認定する「HTML5プロフェッショナル認定試験」、JavaScriptの知識・スキル認定のための資格「CIW JavaScript Specialist」などを取得するのもお勧めです。

Webデザインのスキルを証明するには「Webクリエイター能力認定試験」や「ウェブデザイン技能検定」などの取得を目指すのも良いでしょう。また、プロジェクトマネジメントのスキルを認定する資格としては「PMP®」などもあります。取得するためには、マネジメント業務に関する実務経験と、研修受講が求められる資格です。

フロントエンドエンジニアへ転職を目指す際の勉強方法

全くの未経験の状況から転職してフロントエンドエンジニアを目指す場合には、どのような勉強をすればよいのでしょうか。ここでは、技術習得に向けた自己研さんと採用担当者へのアピールに役立つ勉強法を3つご紹介します。

技術力が伝わる成果物を実際に作る

キャリアチェンジをしてフロントエンドエンジニアを目指すのであれば、自分自身の不足しているスキルや経験を補完していくのと同時に、就職活動の際に採用担当者を納得させられる成果を提示する必要があります。フロントエンドエンジニアにとって重要度が高いJavaScriptについて、ライブラリやフレームワークも含めて理解し、経験を積むためには、実際に成果物を作成するのが良いでしょう。作業を通じて技術力が磨かれるだけでなく、作成の過程や背景などを採用担当者にアピールできる可能性があります。採用担当者によっては、ソースコードに注目する場合もあるため、作成したソースコードをGitHubにアップしておき、提示しやすいように準備しておくこともお勧めします。

クラウドソーシングなどで実績を積む

エンジニアは高度なスキルが求められる職種であることから、転職の場合にはある程度の実務経験が求められることが多いです。自身の経験を証明する上では、独学で学んだスキルよりも、企業に所属して経験を積む方が、説得力が生まれる可能性が高いといえます。もしそのような機会に恵まれない場合には、副業としてクラウドソーシングなどでの小規模な案件で経験を積むのも一つの手です。クラウドソーシングでは、小規模なLP制作の案件からECサイトの構築といったものまで、実績につながる可能性のある案件が多数存在しています。案件をこなしていくことで経験が積み上がり、ステップアップにつながるため、採用時にキャリアの一部としてアピールできる可能性があります。ただし、クラウドソーシングを引き受ける際には、その仕事が実績として開示してよい案件なのか、現在所属している会社が副業を許可しているかといったことを確認しておく必要があるでしょう。

Photoshop、Illustratorが使えるようになる

フロントエンドエンジニアは業務の中でデザインに関わることも多い職種です。デザインに対する興味や関心が高いのであれば、AdobeのPhotoshopやIllustratorなど、デザイナーが標準的に使うことのできる各種ソフトウェアの習得にチャレンジしてみるのもよいでしょう。これらソフトウェアを扱えるようになると、デザイナーに依頼しなくてもよいくらいの簡単な作業であれば、自分自身で対応できるかもしれません。デザイナーとやりとりする際のコミュニケーションがより円滑になったり、データのやりとりがしやすくなるなど、さまざまなメリットが生まれる可能性もあります。ただ、これらデザインの知識やスキルは、フロントエンジニアにとって必ず必要なものではありません。あくまでHTMLやJavaScriptなどの必須のスキルを身につけた上でプラスアルファとして身につける技能、というスタンスで学ぶことをお勧めします。

フロントエンドエンジニアの将来性(300文字程度)

フロントエンドエンジニアは今後、さらに需要が高まっていく職種だといえます。総務省が発表した「令和4年版 情報通信白書」では、スマートフォンの世帯当たりの保有率が2020年に86.8%まで達しており、インターネットを利用した各種Webサービスが生活に不可欠な存在となっていることがあらためて明らかになっています。今後、さらに多様なWebサービスが求められるようになれば、フロントエンドエンジニアが活躍する領域もさらに拡大していくことが予想されます。このような状況の中で、今後もフロントエンドエンジニアとして一線で活躍していくためにも、常日頃より新しい技術に目を向け、エンジニアとしてのスキルを磨いていくことが重要だといえるでしょう。

まと

ここまで、フロントエンドエンジニアの具体的な仕事内容や必要なスキル、将来性や転職を目指す際の勉強方法などについてご紹介しました。フロントエンドエンジニアは、ユーザーが実際に見て、触れて、操作するWebサイトやECサイトなどのフロントエンドの開発を担う職種であり、ユーザーからの評価をじかに感じられやすい、やりがいのある職種です。

Webサービスが生活に不可欠なものになるなかで、その開発を担うフロントエンドエンジニアの需要は今後ますます高まっていくことが予想されます。今後フロントエンドエンジニアを目指したいという方は、ぜひこの記事の内容を参考にしてみてください。

Sky IT TOPICS編集部

Sky IT TOPICS編集部は情報セキュリティやIT運用、テクノロジーに関する最新の動向、弊社商品の情報を発信しています。
Sky株式会社は、家電のシステム開発を手掛けたのをきっかけに、デジタル複合機やカーエレクトロニクス、モバイル、情報家電、さらに自社商品として教育分野における学習活動ソフトウェアや、公共・民間向けクライアント運用管理ソフトウェアなど、幅広い分野でのシステム開発を展開しております。