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ソフトウェア開発でよく使われるプログラミング言語の種類やトレンドを紹介! 選び方についても解説

著者:Sky株式会社

ソフトウェア開発でよく使われるプログラミング言語の種類やトレンドを紹介! 選び方についても解説

プログラミング言語とは

プログラミング言語とは「人がPCへ命令を伝えるために必要な言語」です。PCは、0と1の羅列で表現される「機械語」のみ処理が可能ですが、人が直接PCに対して機械語で命令するのは極めて困難です。そこで、仲介役として生み出されたのがプログラミング言語です。人が理解できるテキスト形式のプログラミング言語を機械語へ変換する過程を挟むことで、PCに対してどのように動いてほしいのかを正確かつ効率的に伝えることが可能です。

現在、プログラミング言語には数多くの種類があります。目的に沿って適切に選ぶことで、Webサイトの構築やAI・機械学習プログラムの開発など、多様なサービスを生み出すことができます。

ソフトウェア開発(ソフトウエア開発)におけるプログラミング言語の種類

プログラミング言語は現在、知名度の低いものも含めると200種類以上あり、特定の言語から派生したものを含めると1,000種類を超えるといわれています。ここでは、その中でも特にソフトウェア開発で利用されるメジャーな言語を、特徴を踏まえてご紹介します。

JavaScript

JavaScriptは主に、入力フォームやポップアップ表示など、Webページに動的な要素を加えるプログラミング言語として知られています。汎用性に優れており、ユーザーが直接目にする部分(クライアントサイド)からサーバー側で動く裏方の部分(サーバーサイド)まで、幅広く使用できます。そのため、JavaScriptは世界中のWebサイトで使われており、ほかの言語に容易に置き換わることは考えにくく、非常に将来性の高い言語といえます。

また、学習のために特別な環境を構築する必要がなく、学びやすさの面でも根強い人気があります。Webサイトのみならず、モバイルアプリや銀行の基幹システムなどの分野でも採用されています。

なお、JavaScriptと名前が似ている言語としてJavaがありますが、両者はまったく別のプログラミング言語であり、特に個別のつながりはありません。

C言語

C言語は1970年代初頭にアメリカで誕生して以来、派生した言語が複数開発されるほど長きにわたり根強い人気を維持しているプログラミング言語です。習得難易度は低くないものの、プログラミングの共通言語と呼べるほど広範囲に普及した歴史もあり、日本では初めて学校で学ぶ言語として選ばれることが多いです。

軽量かつ高速で特定の環境に縛られないプログラムを作成できることから、電子機器の制御をはじめとする幅広い分野で活用されています。例えば、身の回りのあらゆるモノをインターネットで相互につなぐ「IoT(モノのインターネット)」のプログラム開発にもよく使われており、今後も重宝される可能性が高いです。

C++ / C#

C++は、C言語にオブジェクト指向を加えて機能を拡張した言語です。一般的なプログラミング言語の中でも特に高速な処理が可能なことから、大規模な業務用ソフトウェアの開発など、高負荷で複雑な処理を行う必要のある分野で活用されています。言語仕様が複雑で、習得の難易度は高いとされていますが、一度習得すれば派生する多くの言語を習得しやすくなります。

C#は、C言語を基に開発したC++をマイクロソフト社がさらに改良して開発したWeb系のプログラミング言語です。C言語の堅牢性やJavaの汎用性、高速性といった、従来の言語の良いところを取り入れています。開発環境の構築は容易でなく習得難易度も高いですが、例えばロボットやAIなどの先端技術への応用も期待でき、将来性の高い言語です。

PHP

PHPは、主に動的なWebサイト、Webアプリケーションのサーバーサイド開発に特化したプログラミング言語です。データベース連携が容易であり、構文はシンプルで記述しやすく、初心者にも理解しやすいという特長があります。

一方、記述の自由度の高さから、セキュリティ面での配慮を要する点には注意が必要です。また、記述されたソースコードを先頭から順に処理して実行していくインタプリタ型言語のため、速度面ではあまり期待できず、大規模データの高速処理には不向きです。

なお、CMS(専門知識なしで簡単にWebサイトを構築し運営できるシステム)として広く活用されている「WordPress」や「EC-CUBE」などは、PHPをベースとして構築されています。今後も高い需要が見込まれ、有望な言語の一つといえます。

Python

Pythonは、Web開発やデータ分析をはじめ、多様な分野に使用できる汎用性の高い言語です。シンプルで明快な文法を持つため、プログラマーのスキルが異なる場合でもコードの読みやすさに差が生まれにくいという特長があり、複数人での開発にも適しています。

また近年、オープンソースの機械学習ライブラリである「PyTorch」など、Pythonでの開発をサポートするフレームワーク・ライブラリが多く登場したことで急速に注目を集め、人工知能や機械学習をはじめとした先端技術の分野で高い人気を誇っています。いま話題の対話型AI「ChatGPT」もPythonをベースに開発されています。

Java

Javaはプラットフォームに依存しないプログラミング言語で、WindowsやMac、Linuxなど、OSに関係なく動作させられるという特長があります。また、あらかじめすべてのソースコードを翻訳してから実行するコンパイラ型ならではの実行速度、堅牢性やセキュリティ性の高さもあり、高速な処理が必要な大規模システムに適しています。

非常に汎用性が高いことから、各種アプリ毛ションやゲーム、業務システム、組込み系など、さまざまな分野で活用されています。例として、人気SNSの「X(旧Twitter)」やグループウェアとしても活用できるドキュメント管理ツール「Evernote」、高画質・高音質な映像を楽しめる「ブルーレイディスクプレーヤー」などが挙げられます。

Kotlin

Kotlinは、データや処理を部品化したものを組み合わせるオブジェクト指向のプログラミング言語で、Java用の統合開発環境を手掛けるJetBrains社が開発しています。2017年、Google社によってAndroidの公式開発言語へ採用されたことを機に注目を集め、モバイルアプリ開発の分野でJavaに並んでメジャーな言語になりつつあります。

Java系の言語ではなく文法は独自方式ですが、Javaのライブラリを呼び出すことが可能なため、すでに大量に存在するJavaの資産を活用した開発が可能です。また、Javaよりも少ないコードで実装でき、よくあるエラーを防止できる機能を備えています。

Ruby

Rubyは、まつもとゆきひろ氏によって1995年に開発された、日本発のオブジェクト指向プログラミング言語です。名称の由来となったWeb開発言語「Perl」と同様、Web開発を得意とするほか、モバイルアプリやデータベースを用いた基幹システムの開発にも対応できる高い汎用性を持ちます。

特に、RubyのWebアプリケーションフレームワークである「Ruby on Rails」は、ECサイト構築サービスの「Shopify」や、日本最大級のクラウドソーシングプラットフォームである「クラウドワークス」などにも活用されています。

また、言語仕様の策定において「ストレスなくプログラミングを楽しむこと」が重視されており、コードはシンプルで読みやすく、柔軟性に富んだ言語としてデザインされています。日本人が開発した言語ということもあり日本語での情報が多く、学習にかかるコストを低く抑えられることから、プログラミング初心者にも適した言語です。

Go言語

Go言語は、Googleが2009年に開発したプログラミング言語です。ミスの起こりやすい要素を極力省いたシンプルな構文や機能を採用しており、高速な処理が可能です。そのためスキルレベルの異なる複数のエンジニアが連携しやすく、用途を問わず規模の大きいシステム開発に適した言語といえます。

またGo言語は、有名なWebサービスの開発やデータ処理などにも用いられています。例えば、世界的な動画共有プラットフォームの「YouTube」、感情を持つ家庭型ロボットの「LOVOT」、国内有数のグルメ情報サイトとして知られる「ぐるなび」などが挙げられます。また、ブロックチェーンやAI対話システムの開発も可能であり、先端技術への関わりも含め今後のさらなる飛躍が期待されます。

よく使われているプログラミング言語は?トレンド言語は?

ソフトウェア開発を円滑に行うには、数多くあるプログラミング言語の中から適切な言語を選択することが非常に重要です。その際、規模感や保守性といった開発プロジェクトの特性や、言語の普及度などが影響してきます。ここでは、ソフトウェア開発の現場で特によく使用されるプログラミング言語についてご紹介します。

ソフトウェア開発で一番使われている言語は?

ソフトウェア開発でよく使用されているプログラミング言語は、世界と日本とで少し異なっています。

【世界】ソフトウェア開発で使われている言語

2023年5月、プログラミング技術に関するナレッジコミュニティのStack Overflowが、世界185カ国にいる9万人以上の開発者を対象に実施した調査「Stack Overflow Developer Survey 2023」の結果を発表しています。

2023年に世界で利用されたプログラミング言語ランキング

出典:Stack Overflow Developer Survey 2023に基づき、Sky株式会社が作成

この調査から、2023年の時点で、世界中のソフトウェア開発者たちが最も使用しているプログラミング言語はJavaScriptだとわかります。さらにPython、SQL、そしてTypeScriptが上位5言語にランクインしています。2位のHTML/CSSは、厳密にはプログラミング言語ではありませんが、世界的にWeb系開発の需要が高まっていることがわかります。

【日本】ソフトウェア開発で使われている言語

日本全国500万件以上の企業情報を有するデータベース「SalesNow DB」における2023年の調査によると、求人数の観点から、日本のソフトウェア開発現場で人気のプログラミング言語は第1位がJavaで、第2位以下にJavaScript、PHP、Python、TypeScriptが続いています。

この調査から、日本のソフトウェア開発では特にJavaを使用している現場が多いということがわかります。なお、JavaはGoogle社内の標準言語の一つであり、習得が難しいとされながらも高い汎用性や利便性を有し、世界的にも高い人気を誇ります。

注目のトレンド言語は?

数多くあるプログラミング言語の中で、今注目を集めているのは、どのような言語なのでしょうか。プログラミング技術を点数化できる求人サービス「HackerRank」が2,000万人を超える開発者のデータを集計し、2023年に公表したレポート「2023 HackerRank Developer Skills Report」によると、Java、Python、SQLの人気は依然として高い状況が続いています。

また、Googleが開発したGo言語と、JavaScript の上位互換であるTypeScriptの2言語は、比較的新しい言語でありながら人気を博しています。いずれも、ソフトウェア開発の大手プラットフォームである「GitHub」の言語ランキングでも上位に位置しており、HackerRank内の取り扱いテスト数が前年比300%以上にまで増加するなど、市場での需要の高まりが顕著にみられます。

こうしたデータから「Webサービスや人工知能の分野に適している」「汎用性が高い」「古くから人気のある言語の後継とされる」といった特徴をもつ言語が、今のソフトウェア開発の現場で注目されていることがわかります。

ソフトウェア開発(ソフトウエア開発)でのプログラミング言語の選び方

プログラミング言語にはそれぞれ向き・不向きがあるため、開発するシステムの目的や用途をあらかじめ明らかにした上で言語を選択する必要があります。各種ソフトウェア開発に適したプログラミング言語は、以下のように大別できます。

Web開発

Webサイトの開発では、クライアントサイドにおいては、ブラウザのみでも動作確認が可能なJavaScriptが適しています。一方、サーバーサイドではデータベースと連携しやすいPHPやサーバーサイドJavaScriptなどが適しています。なお、JavaScriptの上位互換といえるTypeScriptも人気が高まっています。

アプリケーション開発

従来、アプリ開発にはJavaやC#が主に使用されてきましたが、近年ではそれらの言語をベースとした、よりアプリ開発に適した特徴を持つ言語の需要が伸びています。例えば、Android向けのアプリ開発であればKotlinが、iOSやmacOSなどのApple製OS向けのアプリ開発であればSwiftが挙げられます。

サーバーサイド開発

より大きな負荷がかかった状態でのデータ処理が求められるサーバーサイドでは、RubyやPHPをはじめ、処理速度の速いC#、汎用性の高いJavaやPython、シンプルなGo言語などが使用されています。

AI / 機械学習

近年、特に需要が増しているAI・機械学習については、ビッグデータの統計処理に秀でているR言語やPython、Go言語が使用されています。特にPythonは機械学習の分野で注目度が高く、豊富なライブラリに対応し利便性が高いことで知られています。また、IoTの普及に伴い注目を集めている「エッジAI」などの組込み系システムでは、C言語やC++の使用もみられます。

ソフトウェア開発(ソフトウエア開発)ならSky株式会社

事業内容

Sky株式会社は、業務系ビジネスシステムや車載機器など、幅広い分野のソフトウェア開発に携わってきました。20を超える全国の拠点と5,000名規模のエンジニアが在籍する強みを生かし、受託開発やエンジニアの派遣などをはじめ、運用や保守、品質管理に至るまで、システム開発に関するさまざまなご要望にお応えします。

Sky株式会社が携わる領域

ソフトウェア評価 / 検証・サポート

ソフトウェア評価 / 検証事業は、組込みソフトウェアの品質テスト(第三者検証)を中心とするサービスとして始まりました。現在は、自動車関連システム / サービスや、業務系システム、社会インフラや通信システムなど、幅広い分野でシステムの品質保証業務に携わっています。

業務系システム開発

業務系システムにおいても、金融・保険業界のコールセンターシステムや、医療業界の内視鏡ITシステム、建設業界の生産管理システムなど、多様な業界・業種で開発実績を積み重ねてきました。主要メーカー製品や各種スマートデバイスなどと連携するシステムをはじめ、クラウドサービスの活用を進めることで、ビジネス環境の急速な変化にも迅速かつ柔軟に対応できるシステムを開発しています。

組込み / 制御 / アプリケーション開発

Sky株式会社は、創業時より強みとしてきた組込み / 制御システム開発から、多種多様なアプリケーション開発まで幅広い開発実績を有しています。サービス分野についても、デジタル複合機やカーエレクトロニクス、モバイル機器やデジタルカメラのほか、社会インフラ、医療機器、FAシステムなど、さまざまな領域に携わっています。

まと

ここまで、ソフトウェア開発に欠かせないプログラミング言語について、種類やトレンド、用途別の選び方などをご紹介しました。ソフトウェア開発では、豊富な種類の中から目的に応じて適切なプログラミング言語を選定することが大切です。

なおSky株式会社には、幅広い分野のソフトウェア開発に携わった実績があり、豊富な経験で培った技術やノウハウを生かした、高品質で高効率な開発を行うことが可能です。ソフトウェア開発に関してお悩みの際には、ぜひSky株式会社にご相談ください。