皆さんは、「部下に指示をしたら、期待外れの成果物が上がってきた……」という経験はありませんか?
同じゴールを共有しているつもりだったのに、ふたを開けてみると見ているものや想像しているものが違っていた……という状況は、特にビジネスのように、世代や価値観が異なる相手とコミュニケーションを取る場面で発生しがちです。このような失敗を引き起こす認識のズレのことを、「コミュニケーションギャップ」と呼びます。
業務を円滑に遂行するためには、この認識のズレを少なくしていくことがカギ。そこで今回は、コミュニケーションギャップを埋めるポイントをご紹介します。
抽象度と情報量の相関関係
まず押さえておきたいのが、抽象度と情報量の相関関係です。指示や説明を具体的にすればするほど、そこに含まれる情報量は多くなります。
この関係性を基に、ビジネスにおいてコミュニケーションギャップが発生しがちなシーンについて考えてみましょう。
「この文書を対外的に公開できるかたちに整えて」という指示は……?
社員同士の情報共有用に作られたとある文書ファイルを、対外的に公開することが決まりました。ただし、もともとは社内用の文書ファイルのため、外部に公開可能なかたちに修正が必要です。そこで、部下に修正作業を割り振ることに。「この文書を対外的に公開できるかたちに整えて」と指示を出します。
このとき、上司が期待する「対外的に公開できる資料」とは、以下の条件を満たすものでした。
- 文章のみの資料に図解を入れる
- 重要な語句を赤文字や太字などにして強調する
- 補足が必要な語句や表現に注釈をつける
しかし、部下は上司の指示から、これらの情報を読み取ることができるでしょうか? もし、指示の本質を読み取れていなければ、部下は「文書ファイルをプレゼンテーションファイルに作り替える」という作業を行うかもしれません。
この認識のすれ違いこそがコミュニケーションギャップです。その結果、イメージとはまったく違う成果物ができあがり、上司は「期待外れだ」と感じてしまうのです。
期待値に合わせ指示の抽象度をコントロールする
指示の抽象度は、下図のようにアウトプットの振れ幅に影響します。
指示の抽象度が高ければ高いほど、指示を出す上司と受け手である部下との間に認識のズレが生まれやすく、イメージと異なる成果物ができあがるリスクが高くなります。つまり、部下の成果物に対して上司が期待する明確なゴールがある場合は、指示を具体的に示すことが大切です。
では、指示はいつでも「具体的であればあるほどよい」のでしょうか。
上司の指示の具体度が増すと、それに比例して部下の業務の自由度は低下します。そのため、期待を大きく超えるアウトプットは望みにくくなるでしょう。クリエイティビティが求められる業務では、あえて抽象的な指示を出して、期待を上回る成果物を待つのも一つの手だといえます。
具体と抽象を行き来して考える
このように、期待値や業務の特性に合わせて指示の抽象度をコントロールすることを意識すると、日常的に物事の具体と抽象を行き来して考えるようになります。これは、点在する情報(具体)から共通点を見いだし、本質(抽象)を見抜くトレーニングにもなります。
先述の例題のなかで、上司が期待したのは
- 文章のみの資料に図解を入れる
- 重要な語句を赤文字や太字などにして強調する
- 補足が必要な語句や表現に注釈をつける
という、3つのポイントでした。
これらの共通点を考えてみると、どれもその目的とするところは「ひと目で要点を把握できる」だとわかるのではないでしょうか。このように、具体的な複数の情報から共通点を見いだし、整理することで、それら情報が持つ本質が見えてくるのです。
この考え方は社内のコミュニケーションだけでなく、日頃の営業活動にも役立ちます。お客様との商談のなかで得た複数の情報を抽象化して考えることで、お客様の潜在的なニーズを発見できることもあるでしょう。
点在する情報を一元管理することで本質が見えてくる?
このような複数の情報(具体)の抽象化には、情報を整理して一覧できる環境が必要になります。
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